神経筋疾患|理学療法士(PT)国家試験 過去問まとめ

理学療法士国家試験の神経筋疾患分野を、複数年分まとめて対策できるページです。Parkinson病・ALS・多発性硬化症・Guillain-Barré症候群・末梢神経障害など、神経難病と末梢神経は評価・理学療法が問われる頻出分野です。

問題文は著作権に配慮して掲載せず、正答番号(厚生労働省が公表する事実データ)と、Network-Primer独自の解説(正答理由・各選択肢の○×)を掲載しています。問題文は各年の全問ページからリンクする厚生労働省の公式PDFでご確認ください。

収録状況

年度実施神経筋疾患 出題数収録
第61回2026年2月14問✅ 解説あり
第60回2025年2月16問✅ 解説あり
第59回2024年2月順次追加
第58回2023年2月順次追加
第57回2022年2月順次追加

第56〜59回は、厚生労働省の公表資料をもとに順次追加していきます。

頻出テーマ(複数年で押さえたい論点)

  • Parkinson病:Hoehn-Yahr、すくみ足、外的手がかり
  • ALS・神経難病:進行に応じた運動療法・呼吸管理
  • 多発性硬化症:Uhthoff現象、易疲労性
  • 末梢神経障害:絞扼部位、感覚・運動障害の分布、神経再生
  • Guillain-Barré:経過と理学療法の進め方

第61回(2026年2月実施)

神経筋疾患として出題された問題です。全問の正答・解説は 第61回 PT 全問ページ でも確認できます。

#時間帯区分正答
問12午前実地1
問15午前実地1
問16午前実地4
問17午前実地5
問38午前一般5
問40午前一般4
問83午前共通34
問84午前共通2
問91午前共通25
問97午前共通4
問16午後実地5
問25午後一般5
問38午後一般2
問90午後共通3

午前 問12(実地・正答 1)

ポイント:病的反射(Babinski反射など)の正しい検査手技を示す図を選ぶ。Babinski反射は足底の外側縁を踵から母趾方向へゆっくりこすり、母趾の背屈(と他趾の開扇)をみる。選択肢1がこの正しい手技を示している。

  • 1:足底外側縁を踵から前方へこする、Babinski反射の正しい検査手技。
  • 2:刺激部位または刺激方向が病的反射の手技として誤っている。
  • 3:誤った刺激部位・手技。
  • 4:誤った刺激部位・手技。
  • 5:誤った刺激部位・手技。

午前 問15(実地・正答 1)

ポイント:良性発作性頭位めまい症(BPPV)は耳石置換法が第一選択。後半規管型に対するEpley法で耳石を卵形嚢へ戻す。

  • 1:Epley法(耳石置換法)はBPPVの根本治療。発症早期から実施可能。
  • 2:歩行安定性に問題なく杖歩行練習は不要。
  • 3:閉眼バランス練習はBPPVの治療にならない。
  • 4:頭部回旋を避ける指導は代償的で根本治療でない。
  • 5:頸部筋力増強はBPPVと無関係。

午前 問16(実地・正答 4)

ポイント:多発性硬化症で頸部前屈時に脊柱に沿って電撃痛が走る=Lhermitte徴候。頸髄後索の脱髄病変を示唆。

  • 1:Barré徴候は錐体路障害の上肢挙上検査。
  • 2:Gowers徴候は筋ジストロフィーの登攀性起立。
  • 3:Horner徴候は縮瞳・眼瞼下垂・発汗低下。
  • 4:Lhermitte徴候は頸部前屈で背部~下肢に電撃痛が走る、MSに特徴的な所見。
  • 5:Uhthoff徴候は体温上昇で症状悪化する現象。

午前 問17(実地・正答 5)

ポイント:ALSで下肢筋力低下・鶏歩(下垂足)がある。過負荷は禁忌だが、プラスチックAFOで下垂足を補正した歩行練習が最も適切。

  • 1:ADL自立段階で車椅子操作練習は時期尚早。
  • 2:漸増抵抗運動(高負荷)はALSでは過用性筋力低下を招き禁忌。
  • 3:両松葉杖は上肢にも負担で、この段階では過剰。
  • 4:ALSは運動神経疾患で感覚は保たれ、感覚再教育は不要。
  • 5:プラスチックAFOで下垂足を補正し、安全な歩行を維持する。

午前 問38(一般・正答 5)

ポイント:完全型腕神経叢損傷では、神経叢全体が障害され近位(肩)から遠位(手指)まで全ての運動障害が生じる。

  • 1:末梢神経損傷では深部腱反射は低下・消失する(亢進しない)。
  • 2:完全型(引き抜き損傷)では自然回復は期待できない。
  • 3:下位型(C8-T1)では手内筋が障害され、肘屈曲(C5-6)は保たれる。
  • 4:上位型(C5-6:Erb麻痺)では肩・肘が障害され、手指巧緻運動(C8-T1)は保たれる。
  • 5:完全型では近位から遠位まで全ての運動障害がみられる。

午前 問40(一般・正答 4)

ポイント:Hoehn&YahrステージⅡは、両側性の障害があるが姿勢反射障害(バランス障害)はない段階。両上肢の固縮(両側性症状)がⅡの判断根拠。

  • 1:四肢の拘縮は重症度分類の直接指標ではない。
  • 2:頻回の転倒は姿勢反射障害を伴うステージⅢ以上。
  • 3:起立性低血圧は自律神経症状で病期分類の指標でない。
  • 4:両上肢の固縮=両側性症状はステージⅡ(両側性、姿勢反射障害なし)を示す。
  • 5:Romberg徴候(姿勢バランス)はⅢ以上を示唆。

午前 問83(共通・正答 34)

ポイント:多発性硬化症のリハでは、運動失調に対する重錘負荷(四肢の安定化)と、視野欠損に対する環境整備(照明の工夫等)が正しい。温熱・高強度運動・体温上昇はUhthoff現象を招くため避ける。

  • 1:痙縮に対する温熱療法は体温上昇でUhthoff現象(症状悪化)を招き不適。
  • 2:1RMを反復する高強度筋力強化は易疲労性のMSでは過用を招き不適。
  • 3:運動失調に対し重錘を負荷して四肢を安定させる練習は有効。
  • 4:視野欠損に対し照明など環境整備を行うのは適切。
  • 5:歩行障害に対し一律に早期から下肢装具を作製するのは画一的で、病状に応じて判断すべき。

午前 問84(共通・正答 2)

ポイント:Parkinson病の治療薬はL-dopa(レボドパ)。ドパミン前駆物質で不足したドパミンを補充する。

  • 1:NSAIDsは消炎鎮痛薬。
  • 2:L-dopaはPD治療の中心薬(ドパミン補充)。
  • 3:コリン作動薬はPDではむしろ症状を悪化させる(抗コリン薬が用いられる)。
  • 4:カルシウム拮抗薬は降圧薬。
  • 5:セフェム系抗菌薬は感染症治療薬。

午前 問91(共通・正答 25)

ポイント:感覚障害を合併するのは多発性硬化症(中枢脱髄)と慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP、末梢脱髄で感覚障害あり)。

  • 1:重症筋無力症は神経筋接合部の障害で感覚障害はない。
  • 2:多発性硬化症は感覚障害を合併する。
  • 3:筋萎縮性側索硬化症は運動ニューロン疾患で感覚は保たれる。
  • 4:肢帯型筋ジストロフィーは筋疾患で感覚障害はない。
  • 5:CIDPは脱髄性で感覚障害を合併する。

午前 問97(共通・正答 4)

ポイント:Wilson病は銅代謝異常で、銅が肝・脳・角膜(Kayser-Fleischer輪)等に蓄積する。

  • 1:亜鉛はWilson病の治療薬(銅吸収抑制)だが蓄積物質ではない。
  • 2:コバルトは関与しない。
  • 3:鉄の蓄積はヘモクロマトーシス。
  • 4:Wilson病は銅の代謝異常で銅が蓄積する。
  • 5:マンガンは関与しない。

午後 問16(実地・正答 5)

ポイント:L-dopa長期服用で薬効時間が短縮し、次回服薬前に症状が悪化する=Wearing-off現象(薬効の切れ目)。

  • 1:Cushing現象は頭蓋内圧亢進時の血圧上昇・徐脈。
  • 2:On-off現象は服薬と無関係に症状が急変する現象。本例は薬効時間短縮が明確でWearing-offが適切。
  • 3:Pusher現象は脳卒中後の押しつけ現象。
  • 4:Raynaud現象は末梢血管の発作性収縮。
  • 5:Wearing-off現象はL-dopaの効果持続時間が短縮し、次回服薬前に症状が悪化する運動合併症。

午後 問25(一般・正答 5)

ポイント:Guillain-Barré症候群は先行感染(上気道・消化管感染)の1-3週後に発症する急性炎症性脱髄性多発神経炎。呼吸器感染を契機とすることが多い。

  • 1:深部腱反射は低下・消失する(末梢神経障害)。
  • 2:全年齢に生じ、小児特有ではない(むしろ成人に多い)。
  • 3:脱髄により神経伝導速度は低下する。
  • 4:感覚障害は軽度で、運動麻痺が主体。四肢遠位から始まる。
  • 5:上気道・消化管の先行感染(Campylobacter等)の後に発症することが多い。

午後 問38(一般・正答 2)

ポイント:脳腫瘍の部位と症状の対応で正しいのは、小脳→協調運動障害(運動失調・企図振戦・測定障害)。

  • 1:視床の障害は感覚障害が主で、視力障害は後頭葉・視覚路。
  • 2:小脳腫瘍は協調運動障害(失調・企図振戦・測定異常)を来す。
  • 3:視交叉の障害は両耳側半盲(視野障害)で、失語ではない。
  • 4:前頭葉障害は人格変化・運動性失語等で、聴力障害ではない。
  • 5:脳幹部障害は脳神経麻痺・意識障害等で、人格障害は前頭葉。

午後 問90(共通・正答 3)

ポイント:ALSは下位運動ニューロン障害を反映する針筋電図(脱神経所見・線維束性収縮)が診断に最も有用。

  • 1:SPECTは脳血流評価でALS診断には不適。
  • 2:頭部CTは他疾患の除外に用いるが確定診断にはならない。
  • 3:針筋電図は下位運動ニューロン障害(脱神経・再神経支配)を検出し診断に有用。
  • 4:頸部超音波はALS診断の主検査ではない。
  • 5:体性感覚誘発電位は感覚路の評価でALS(運動系)には不適。

第60回(2025年2月実施)

神経筋疾患は第60回で16問出題。各問の詳しい解説は 第60回 神経筋疾患 詳細ページ にまとめています。

出題一覧(第60回)

#時間帯区分問題(要約)正答
問6午前実地6歳の男児。Duchenne型筋ジストロフィーと診断された。四肢体幹筋は萎縮しており、MMTで両側下...2
問11午前実地Parkinson病患者30名にリズミカルな運動を導入。1週後の歩行速度の変化で有意差(p<0.05...1
問43午前一般脊髄小脳変性症・多系統萎縮症診療ガイドライン2018に示されている集中リハビリテーションの転帰指標は...1
問44午前一般登はん性起立を示すのはどれか。4
問48午前一般小脳梗塞でみられるのはどれか。2つ選べ。1,3
問86午前一般末梢神経伝導検査が診断に有用なのはどれか。2
問91午前一般Parkinson病の治療薬はどれか。2
問11午後実地70歳の男性。Parkinson病。Hoehn&Yahr ステージⅢ。すくみ足や小刻み歩行からの突進...4
問29午後一般Parkinson病でみられるのはどれか。3
問32午後一般アミロイドの沈着がみられるのはどれか。1
問43午後一般神経伝導検査でF波の潜時延長と出現率減少がみられる疾患はどれか。1
問44午後一般神経筋疾患と理学療法の組合せで正しいのはどれか。3
問74午後一般運動学習で正しいのはどれか。1
問83午後一般小脳障害でみられる症候はどれか。2つ選べ。1,3
問86午後一般多発性硬化症で正しいのはどれか。5
問93午後一般Duchenne型筋ジストロフィーで正しいのはどれか。1

この解説について

本コンテンツは教育目的で無償公開しています。正答番号は厚生労働省が公表する事実データ、解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。

出典:「第60回・第61回理学療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成。


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出典:「第60回理学療法士国家試験、第60回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(厚生労働省ホームページ)を加工して作成

※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。

最終更新:2026-07-18

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