精神医学|理学療法士(PT)国家試験 過去問まとめ

理学療法士国家試験の精神医学分野を、複数年分まとめて対策できるページです。統合失調症・気分障害・認知症・依存症・発達障害など、精神医学は疾患の特徴と対応が問われる分野です。作業療法との連携も頻出です。

問題文は著作権に配慮して掲載せず、正答番号(厚生労働省が公表する事実データ)と、Network-Primer独自の解説(正答理由・各選択肢の○×)を掲載しています。問題文は各年の全問ページからリンクする厚生労働省の公式PDFでご確認ください。

収録状況

年度実施精神医学 出題数収録
第61回2026年2月13問✅ 解説あり
第60回2025年2月13問✅ 解説あり
第59回2024年2月順次追加
第58回2023年2月順次追加
第57回2022年2月順次追加

第56〜59回は、厚生労働省の公表資料をもとに順次追加していきます。

頻出テーマ(複数年で押さえたい論点)

  • 統合失調症:陽性・陰性症状、経過、リハビリ
  • 気分障害:うつ病・双極性障害の特徴と対応
  • 認知症:中核症状・BPSD、種類の鑑別
  • 依存症・嗜癖:治療の原則
  • 神経発達症:ASD・ADHDの特徴

第61回(2026年2月実施)

精神医学として出題された問題です。全問の正答・解説は 第61回 PT 全問ページ でも確認できます。

#時間帯区分正答
問78午前共通3
問79午前共通5
問80午前共通1
問81午前共通5
問95午前共通1
問96午前共通4
問100午前共通25
問79午後共通3
問80午後共通3
問81午後共通45
問96午後共通1
問99午後共通34
問100午後共通2

午前 問78(共通・正答 3)

ポイント:心理治療の目的は陽性転移の出現そのものではない。転移は治療の中で生じる現象を分析・解釈する対象であり、陽性転移の出現を目的とするのは誤り。

  • 1:(正しい):転移は治療者側の逆転移を誘発しうる。
  • 2:(正しい):転移は行動化(acting out)の原因となりうる。
  • 3:(誤り):心理治療の目的は陽性転移を出現させることではない。転移は分析・解釈の対象。
  • 4:(正しい):転移の解釈は患者の無意識的葛藤の解消手段となる。
  • 5:(正しい):患者が好意を治療者に向けるのは陽性転移。

午前 問79(共通・正答 5)

ポイント:陳述記憶(宣言的記憶:意味・エピソード記憶)が必要なのは「つり銭を確認する」(金額の知識・計算という意味記憶を要する)。他は手続き記憶(体で覚えた動作)。

  • 1:財布を開けるのは手続き記憶(習熟動作)。
  • 2:小銭を投入するのも手続き的動作。
  • 3:取出口のフタを開けるのも手続き的動作。
  • 4:飲料を取り出すのも手続き的動作。
  • 5:つり銭の確認は金額の知識・計算を要し、陳述記憶(意味記憶)が必要。

午前 問80(共通・正答 1)

ポイント:質問紙法(自記式)はBDI-Ⅱ(Beck抑うつ質問票)。他は面接者評価尺度(BPRS・HAM-D・PANSS)または検査者施行(HDS-R)。

  • 1:BDI-Ⅱは自記式質問紙法のうつ病評価尺度。
  • 2:BPRS(簡易精神症状評価尺度)は面接者による他覚的評価。
  • 3:HAM-D(ハミルトンうつ病評価尺度)は面接者評価。
  • 4:HDS-R(長谷川式)は検査者が施行する認知症スクリーニング。
  • 5:PANSS(陽性陰性症状評価尺度)は面接者評価。

午前 問81(共通・正答 5)

ポイント:絶対臥褥(第1期に個室で終日臥床)を用いるのは森田療法。神経症治療で「あるがまま」を体得させる。

  • 1:系統的脱感作法は不安階層に沿った暴露法。
  • 2:支持的精神療法は傾聴・共感が主。
  • 3:精神分析療法は自由連想・解釈が主。
  • 4:認知行動療法は認知の歪みの修正。
  • 5:森田療法は第1期に絶対臥褥を用いる。

午前 問95(共通・正答 1)

ポイント:認知症で最も頻度が高いのはAlzheimer型認知症(全体の約6-7割)。

  • 1:Alzheimer型認知症が最も頻度が高い。
  • 2:Lewy小体型は3番目程度。
  • 3:血管性認知症は2番目に多い。
  • 4:正常圧水頭症は治療可能な認知症だが頻度は低い。
  • 5:前頭側頭型認知症は比較的まれ。

午前 問96(共通・正答 4)

ポイント:機能性神経学的症状症(変換症/転換性障害)では、患者が診断を受け入れると予後が良好とされる。

  • 1:精神療法(認知行動療法等)は有効。
  • 2:20歳以降でも発症する(稀ではない)。
  • 3:経過が短い(急性発症)ほど予後は良好(長期化で予後不良)。
  • 4:患者が診断を受け入れていると予後が良い。
  • 5:パーソナリティ症の合併は予後不良因子(良好ではない)。

午前 問100(共通・正答 25)

ポイント:ベンゾジアゼピン中止希望には、まず心配な副作用を傾聴し(2)、主治医への相談を橋渡しする(5)。自己判断の中止・減量は離脱症状のリスクがあり不適。

  • 1:頓用への変更を独断で勧めるのは不適(主治医の判断が必要)。
  • 2:どのような副作用が心配か傾聴し、不安を把握する。
  • 3:「我慢してください」は患者の訴えを否定し不適。
  • 4:ベンゾジアゼピンの急な中止は離脱症状(不安・けいれん等)を招き危険。
  • 5:主治医への相談を橋渡しする支援は適切。

午後 問79(共通・正答 3)

ポイント:社会的に受け入れられない欲求(性欲)を、価値ある活動(スポーツ)に振り向けるのは昇華(sublimation)。

  • 1:置き換えは対象を別のものに向け替える(八つ当たり等)。
  • 2:合理化はもっともらしい理由づけで正当化する。
  • 3:昇華は社会的に許容される形に欲求を振り向ける成熟した防衛機制。
  • 4:退行は未熟な発達段階に戻る。
  • 5:反動形成は本心と逆の態度をとる。

午後 問80(共通・正答 3)

ポイント:「不治の病で助からない」と身体的健康を過度に悲観する妄想は心気妄想。うつ病の微小妄想(心気・貧困・罪業)の一つ。

  • 1:血統妄想は高貴な家系の出という誇大妄想。
  • 2:誇大妄想は自己を過大評価する妄想。
  • 3:心気妄想は重病・不治の病にかかっているという妄想。うつ病に多い。
  • 4:迫害妄想は他者から害を加えられるという妄想。
  • 5:被毒妄想は毒を盛られるという妄想。

午後 問81(共通・正答 45)

ポイント:HDS-R(改訂長谷川式)には数字の逆唱(逆から言う)と、野菜の名前をできるだけ多く言う(語列挙)が含まれる。

  • 1:文章を書くのはMMSE(HDS-Rにはない)。
  • 2:手の形の模倣はHDS-Rにない。
  • 3:図版呼称はHDS-Rにない。
  • 4:数字の逆唱はHDS-Rの項目。
  • 5:野菜の名前の語列挙はHDS-Rの項目。

午後 問96(共通・正答 1)

ポイント:アルコール依存症では抑うつ(うつ病)が高頻度に併存する(自己治療的飲酒や神経毒性による)。

  • 1:抑うつの併存が多い。
  • 2:依存が進むと飲酒行動は画一化・単調化する(多様性は失われる)。
  • 3:振戦せん妄では見当識障害・意識障害を伴う(保たれない)。
  • 4:進行すると耐性が生じ、以前より多い量が必要になる(少ない量ではない)。
  • 5:離脱の早期症候群は飲酒中止後6-24時間程度でみられる(72時間は振戦せん妄の時期)。

午後 問99(共通・正答 34)

ポイント:ACT(包括型地域生活支援)はチームによるケアマネジメントを行い、必要に応じ短時間でも頻回に訪問する。重度精神障害者が対象。

  • 1:ACTは24時間365日対応で日中限定ではない。
  • 2:ACTは重度・慢性の精神障害者が対象(軽度ではない)。
  • 3:多職種チームによるケアマネジメントを行う。
  • 4:短時間でも頻回に訪問する(アウトリーチ)。
  • 5:スタッフ1人当たりの受持は10人程度に抑える(25人は多すぎる、低スタッフ比が特徴)。

午後 問100(共通・正答 2)

ポイント:系統的脱感作法では、不安階層表(不安の強さを段階的に並べたリスト)を作成し、弱い不安から順に拮抗条件づけ(リラクゼーション)を行う。

  • 1:家族療法は家族システムへの介入で不安階層表は用いない。
  • 2:系統的脱感作法は不安階層表を作成する。
  • 3:行動活性化技法はうつ病への活動賦活で不安階層表は用いない。
  • 4:内観療法は自己洞察を深める技法。
  • 5:森田療法は絶対臥褥・あるがままを用い不安階層表は使わない。

第60回(2025年2月実施)

精神医学は第60回で13問出題。各問の詳しい解説は 第60回 精神医学 詳細ページ にまとめています。

出題一覧(第60回)

#時間帯区分問題(要約)正答
問24午前一般障害者自立支援法が障害者総合支援法になったことに伴い新たに支援対象として追加されたのはどれか。1
問32午前一般認知症の中核症状はどれか。2つ選べ。1,5
問37午前一般MRC sum scoreで評価できるのはどれか。1
問75午前一般疾病発症の外因のうち、物理的要因はどれか。3
問81午前一般投影法の人格検査はどれか。2
問96午前一般アルコール離脱症状の後遺症はどれか。2
問97午前一般統合失調症の前駆期にみられるのはどれか。1
問98午前一般複雑部分発作〈焦点意識減損発作〉を起こして自宅室内を徘徊しているてんかん患者に対して、まず行うのはど...3
問79午後一般無意識のなかに抑え込まれた欲動が精神症状として現れると想定し、その葛藤を明らかにすることによって症状...2
問96午後一般自殺危険率の高いうつ病患者の特徴でないのはどれか。1
問98午後一般統合失調症の陽性症状はどれか。2つ選べ。採点除外
問99午後一般うつ病の症状はどれか。5
問100午後一般強迫症〈強迫性障害〉の症状で正しいのはどれか。5

この解説について

本コンテンツは教育目的で無償公開しています。正答番号は厚生労働省が公表する事実データ、解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。

出典:「第60回・第61回理学療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成。


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出典:「第60回理学療法士国家試験、第60回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(厚生労働省ホームページ)を加工して作成

※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。

最終更新:2026-07-18

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