精神障害|作業療法士(OT)国家試験 過去問まとめ
作業療法士国家試験の精神障害分野を、複数年分まとめて対策できるページです。統合失調症・気分障害・認知症・依存症・発達障害など、精神障害領域は作業療法士国家試験で最大級の頻出分野です。疾患理解とOTの関わりが問われます。
問題文は著作権に配慮して掲載せず、正答番号(厚生労働省が公表する事実データ)と、Network-Primer独自の解説(正答理由・各選択肢の○×)を掲載しています。問題文は各年の全問ページからリンクする厚生労働省の公式PDFでご確認ください。
収録状況
| 年度 | 実施 | 精神障害 出題数 | 収録 |
|---|---|---|---|
| 第61回 | 2026年2月 | 38問 | ✅ 解説あり |
| 第60回 | 2025年2月 | 31問 | ✅ 解説あり |
| 第59回 | 2024年2月 | ― | 順次追加 |
| 第58回 | 2023年2月 | ― | 順次追加 |
| 第57回 | 2022年2月 | ― | 順次追加 |
第56〜59回は、厚生労働省の公表資料をもとに順次追加していきます。
頻出テーマ(複数年で押さえたい論点)
- 統合失調症:症状・経過、作業療法プログラム、SST
- 気分障害:うつ病・双極性障害への作業療法
- 認知症:中核症状・BPSD、回想法・現実見当識訓練
- 依存症・嗜癖:集団療法、動機づけ
- 神経発達症・児童:ASD・ADHDへの支援
第61回(2026年2月実施)
精神障害として出題された問題です。全問の正答・解説は 第61回 OT 全問ページ でも確認できます。
| # | 時間帯 | 区分 | 正答 |
|---|---|---|---|
| 問14 | 午前 | 実地 | 4 |
| 問15 | 午前 | 実地 | 3 |
| 問17 | 午前 | 実地 | 4 |
| 問18 | 午前 | 実地 | 5 |
| 問19 | 午前 | 実地 | 23 |
| 問20 | 午前 | 実地 | 1 |
| 問40 | 午前 | 一般 | 5 |
| 問41 | 午前 | 一般 | 4 |
| 問43 | 午前 | 一般 | 3 |
| 問45 | 午前 | 一般 | 1 |
| 問46 | 午前 | 一般 | 4 |
| 問47 | 午前 | 一般 | 1 |
| 問78 | 午前 | 共通 | 3 |
| 問79 | 午前 | 共通 | 5 |
| 問80 | 午前 | 共通 | 1 |
| 問81 | 午前 | 共通 | 5 |
| 問95 | 午前 | 共通 | 1 |
| 問96 | 午前 | 共通 | 4 |
| 問100 | 午前 | 共通 | 25 |
| 問13 | 午後 | 実地 | 5 |
| 問14 | 午後 | 実地 | 2 |
| 問15 | 午後 | 実地 | 2 |
| 問16 | 午後 | 実地 | 3 |
| 問17 | 午後 | 実地 | 2 |
| 問19 | 午後 | 実地 | 3 |
| 問26 | 午後 | 一般 | 5 |
| 問40 | 午後 | 一般 | 2 |
| 問41 | 午後 | 一般 | 5 |
| 問42 | 午後 | 一般 | 5 |
| 問44 | 午後 | 一般 | 4 |
| 問45 | 午後 | 一般 | 2 |
| 問49 | 午後 | 一般 | 1 |
| 問79 | 午後 | 共通 | 3 |
| 問80 | 午後 | 共通 | 3 |
| 問81 | 午後 | 共通 | 45 |
| 問96 | 午後 | 共通 | 1 |
| 問99 | 午後 | 共通 | 34 |
| 問100 | 午後 | 共通 | 2 |
午前 問14(実地・正答 4)
ポイント:抑うつ気分・意欲低下・体重減少・自殺念慮=うつ病。うつ症状の評価にはSDS(自己評価式抑うつ性尺度)が適切。
- ❌ 1:LASMIは精神障害者の社会生活評価尺度。
- ❌ 2:NPIは認知症のBPSD評価。
- ❌ 3:PANSSは統合失調症の陽性陰性症状評価。
- ✅ 4:SDS(Zung自己評価式抑うつ性尺度)はうつ症状の評価に適切。
- ❌ 5:SF-36は健康関連QOL尺度。
午前 問15(実地・正答 3)
ポイント:適応障害の原因が職場の管理方法変更(人的環境)にあるため、導入時にまず職場の人的環境を聴取し、ストレス源を把握する。
- ❌ 1:親との関係は本症例の主要ストレス源ではない。
- ❌ 2:休職中の収入は重要だが最優先の聴取事項ではない。
- ✅ 3:ストレス源である職場の人的環境をまず聴取する。
- ❌ 4:寝室レイアウトは睡眠衛生の一要素だが最優先ではない。
- ❌ 5:学生時代の就労経験は現在のストレス対応に直結しない。
午前 問17(実地・正答 4)
ポイント:統合失調症で対人コミュニケーションの問題(質問できない・一方的に話す)がある。就労準備としてSST(社会生活技能訓練)で対人スキルを練習するのが適切。
- ❌ 1:ACTは重度精神障害者への包括的地域支援で、デイケアの就労準備プログラムとしては該当しない。
- ❌ 2:IPSは援助付き雇用(まず就職)で、対人技能の準備段階では時期尚早。
- ❌ 3:NEARは認知機能改善療法で、本症例の主課題(対人技能)とは異なる。
- ✅ 4:SSTで対人コミュニケーション技能を具体的に練習するのが適切。
- ❌ 5:TEACCHは自閉スペクトラム症向けの構造化プログラム。
午前 問18(実地・正答 5)
ポイント:神経性やせ症(るいそう進行後の回復期)で、身体状態改善後の導入時は、負荷が少なく達成感を得やすい軽作業(アイロンビーズでコースター作成)が適切。
- ❌ 1:院外ウォーキングは消費エネルギーが大きく、やせ症の回復期には不適。
- ❌ 2:集団作業療法は対人負荷が大きく導入時には不適。
- ❌ 3:完成作品の改善点を話し合うのは自己批判的思考を強める恐れ。
- ❌ 4:食品の知識学習は摂食へのこだわりを強めるリスク。
- ✅ 5:短時間で完成し達成感を得やすい軽作業(アイロンビーズ)が導入に適切。
午前 問19(実地・正答 23)
ポイント:認知症(HDS-R 17点)+抑うつの回復期。休憩の時間管理を作業療法士が行い(2)、本人が慣れ親しんだパッチワーク(3)を実施することで、安心して取り組める。
- ❌ 1:全工程をまとめて説明すると認知症では理解困難。工程を分けて示す。
- ✅ 2:休憩の時間管理を作業療法士が行い、疲労・負担を調整する。
- ✅ 3:以前熱心だったパッチワークは馴染みがあり、意欲を引き出せる。
- ❌ 4:複数の作業療法士が交替すると認知症では混乱する。担当は一定に。
- ❌ 5:メンバーとの交流を制限する必要はなく、適度な交流は有益。
午前 問20(実地・正答 1)
ポイント:ハラスメントでうつ状態→退院後の就労準備。対人関係良好・作業能力高いが就労に強い不安がある。まず再発防止プラン(ストレス対処・セルフモニタリング)の作成を優先し、再休職を防ぐ。
- ✅ 1:再発防止プランの作成で、ストレス対処法や早期対応を整理する。
- ❌ 2:対人関係は良好でSSTの優先度は低い。
- ❌ 3:就労移行支援事業所への紹介は段階的に検討。まず再発防止が先。
- ❌ 4:認知機能に問題の記載はなく認知リハは不要。
- ❌ 5:作業能力は高く単純軽作業の優先度は低い。
午前 問40(一般・正答 5)
ポイント:内田・クレペリン精神検査は連続加算作業を通じて性格・行動面の特徴(作業曲線)を評価する。
- ❌ 1:P-Fスタディは欲求不満場面での反応(性格)を評価し、認知機能ではない。
- ❌ 2:Rorschachテストは人格・思考を評価し、自己効力感ではない。
- ❌ 3:TATは欲求・葛藤を投影法で評価し、介護負担度ではない。
- ❌ 4:WCSTは前頭葉機能(概念転換)を評価し、自我状態ではない。
- ✅ 5:内田・クレペリン検査は作業曲線から性格・行動特徴を評価する。
午前 問41(一般・正答 4)
ポイント:うつ病の微小妄想(罪業妄想)=「自分は生きているだけで迷惑をかけている」。自己を過小評価する。
- ❌ 1:「機械を発明した」は誇大妄想(躁病・統合失調症)。
- ❌ 2:「貴族の末裔」は血統妄想(誇大妄想)。
- ❌ 3:「見張られている」は注察妄想(統合失調症)。
- ✅ 4:「生きているだけで迷惑」は罪業妄想(うつ病の微小妄想)。
- ❌ 5:「嫌がらせを受ける」は被害妄想(統合失調症)。
午前 問43(一般・正答 3)
ポイント:BPSD(認知症の行動・心理症状)に該当するのは抑うつ。失行・失認・記憶障害・見当識障害は中核症状。
- ❌ 1:失行は中核症状(認知機能障害)。
- ❌ 2:失認は中核症状。
- ✅ 3:抑うつはBPSD(心理症状)。
- ❌ 4:記憶障害は中核症状。
- ❌ 5:見当識障害は中核症状。
午前 問45(一般・正答 1)
ポイント:うつ病急性期の治療では、疾病や治療についての心理教育を行い、休養の重要性等を伝える。
- ✅ 1:心理教育(疾病理解・休養の必要性の説明)は急性期治療で重要。
- ❌ 2:自殺念慮は避けずに率直に確認し、安全を確保する。
- ❌ 3:急性期の積極的なレクリエーション参加は負担が大きく不適。
- ❌ 4:急性期には重要な決断(退職等)を先延ばしにさせる。
- ❌ 5:症状改善後も抗うつ薬は再発予防のため一定期間継続する(直ちに中止は禁忌)。
午前 問46(一般・正答 4)
ポイント:PTSDに対しては、心的外傷体験に対する一般的な心理反応(正常反応であること)を説明し、心理教育を行うことが適切。
- ❌ 1:認知行動療法(持続エクスポージャー等)はPTSDに有効。
- ❌ 2:外傷体験直後に詳しく聞き取る(デブリーフィング)はむしろ有害とされる。
- ❌ 3:安全な場での体験の共有は治療的でありうる(一律回避しない)。
- ✅ 4:心的外傷体験への一般的心理反応を説明する心理教育が適切。
- ❌ 5:心理的応急処置(PFA)は動揺のある早期にこそ行う(収まってからでは遅い)。
午前 問47(一般・正答 1)
ポイント:ADHDはうつ病・不安症等の精神疾患の併存が多く、その併存に注意する必要がある。
- ✅ 1:ADHDはうつ病等の併存が多く、注意が必要。
- ❌ 2:ADHDの薬物療法は成人にも行われる(20歳未満に限らない)。
- ❌ 3:作業中の無関係な雑談は注意をそらすため避ける。
- ❌ 4:予定の優先順位を明確にする支援が有効(こだわらないは不適)。
- ❌ 5:スマホのスケジュール管理はむしろ有用な代償手段で禁止しない。
午前 問78(共通・正答 3)
ポイント:心理治療の目的は陽性転移の出現そのものではない。転移は治療の中で生じる現象を分析・解釈する対象であり、陽性転移の出現を目的とするのは誤り。
- ❌ 1:(正しい):転移は治療者側の逆転移を誘発しうる。
- ❌ 2:(正しい):転移は行動化(acting out)の原因となりうる。
- ✅ 3:(誤り):心理治療の目的は陽性転移を出現させることではない。転移は分析・解釈の対象。
- ❌ 4:(正しい):転移の解釈は患者の無意識的葛藤の解消手段となる。
- ❌ 5:(正しい):患者が好意を治療者に向けるのは陽性転移。
午前 問79(共通・正答 5)
ポイント:陳述記憶(宣言的記憶:意味・エピソード記憶)が必要なのは「つり銭を確認する」(金額の知識・計算という意味記憶を要する)。他は手続き記憶(体で覚えた動作)。
- ❌ 1:財布を開けるのは手続き記憶(習熟動作)。
- ❌ 2:小銭を投入するのも手続き的動作。
- ❌ 3:取出口のフタを開けるのも手続き的動作。
- ❌ 4:飲料を取り出すのも手続き的動作。
- ✅ 5:つり銭の確認は金額の知識・計算を要し、陳述記憶(意味記憶)が必要。
午前 問80(共通・正答 1)
ポイント:質問紙法(自記式)はBDI-Ⅱ(Beck抑うつ質問票)。他は面接者評価尺度(BPRS・HAM-D・PANSS)または検査者施行(HDS-R)。
- ✅ 1:BDI-Ⅱは自記式質問紙法のうつ病評価尺度。
- ❌ 2:BPRS(簡易精神症状評価尺度)は面接者による他覚的評価。
- ❌ 3:HAM-D(ハミルトンうつ病評価尺度)は面接者評価。
- ❌ 4:HDS-R(長谷川式)は検査者が施行する認知症スクリーニング。
- ❌ 5:PANSS(陽性陰性症状評価尺度)は面接者評価。
午前 問81(共通・正答 5)
ポイント:絶対臥褥(第1期に個室で終日臥床)を用いるのは森田療法。神経症治療で「あるがまま」を体得させる。
- ❌ 1:系統的脱感作法は不安階層に沿った暴露法。
- ❌ 2:支持的精神療法は傾聴・共感が主。
- ❌ 3:精神分析療法は自由連想・解釈が主。
- ❌ 4:認知行動療法は認知の歪みの修正。
- ✅ 5:森田療法は第1期に絶対臥褥を用いる。
午前 問95(共通・正答 1)
ポイント:認知症で最も頻度が高いのはAlzheimer型認知症(全体の約6-7割)。
- ✅ 1:Alzheimer型認知症が最も頻度が高い。
- ❌ 2:Lewy小体型は3番目程度。
- ❌ 3:血管性認知症は2番目に多い。
- ❌ 4:正常圧水頭症は治療可能な認知症だが頻度は低い。
- ❌ 5:前頭側頭型認知症は比較的まれ。
午前 問96(共通・正答 4)
ポイント:機能性神経学的症状症(変換症/転換性障害)では、患者が診断を受け入れると予後が良好とされる。
- ❌ 1:精神療法(認知行動療法等)は有効。
- ❌ 2:20歳以降でも発症する(稀ではない)。
- ❌ 3:経過が短い(急性発症)ほど予後は良好(長期化で予後不良)。
- ✅ 4:患者が診断を受け入れていると予後が良い。
- ❌ 5:パーソナリティ症の合併は予後不良因子(良好ではない)。
午前 問100(共通・正答 25)
ポイント:ベンゾジアゼピン中止希望には、まず心配な副作用を傾聴し(2)、主治医への相談を橋渡しする(5)。自己判断の中止・減量は離脱症状のリスクがあり不適。
- ❌ 1:頓用への変更を独断で勧めるのは不適(主治医の判断が必要)。
- ✅ 2:どのような副作用が心配か傾聴し、不安を把握する。
- ❌ 3:「我慢してください」は患者の訴えを否定し不適。
- ❌ 4:ベンゾジアゼピンの急な中止は離脱症状(不安・けいれん等)を招き危険。
- ✅ 5:主治医への相談を橋渡しする支援は適切。
午後 問13(実地・正答 5)
ポイント:うつ病の回復期初期で意欲低下がある。負担の少ない入院生活チェックリスト(自己記入式の簡単な課題)の記入を促すことで、本人のペースで生活状況を把握しつつ作業療法へ導入する。
- ❌ 1:身体機能評価は本症例の主課題(うつ・意欲低下)ではない。
- ❌ 2:作業療法処方が出ており導入を中止する必要はない。
- ❌ 3:パラレルな場での導入も一案だが、まず負担の少ない自己記入課題が適切。
- ❌ 4:うつ病では重要な決断(退職相談)を回復まで先送りする。
- ✅ 5:入院生活チェックリストの記入という負担の少ない課題で導入する。
午後 問14(実地・正答 2)
ポイント:人前・他者の視線がある状況(発表、知人が乗るバス)で動悸・発汗・振戦が生じ、知人がいなければ症状がない=社交不安症(社交場面に限局した不安)。
- ❌ 1:強迫症は強迫観念・強迫行為が主。
- ✅ 2:他者の注視・評価場面に限局した不安と自律神経症状=社交不安症。
- ❌ 3:パニック症は状況に関係ない突然のパニック発作。
- ❌ 4:解離性同一症は同一性の解離。
- ❌ 5:演技性パーソナリティ症は過度な注目希求。
午後 問15(実地・正答 2)
ポイント:統合失調症で作業のケアレスミスが多く「途中から理解できなくなる」=認知機能障害。統合失調症の認知機能を評価するBACS(統合失調症認知機能簡易評価尺度)が適切。
- ❌ 1:RASは自記式の症状評価等でこの認知評価には不適。
- ✅ 2:BACSは統合失調症の認知機能(記憶・注意・遂行等)を評価する。
- ❌ 3:意志質問紙は動機づけ(意志)の評価。
- ❌ 4:VPI職業興味検査は職業興味の評価。
- ❌ 5:役割チェックリストは生活役割の評価。
午後 問16(実地・正答 3)
ポイント:被注察感(見られている感じ)を訴えつつも作業は継続可能な状態。妄想に深入りせず、作業活動に注意を向けるよう声をかけることで、症状にとらわれず活動を続けられるよう支援する。
- ❌ 1:活動種目の変更は根本対応にならない。
- ❌ 2:作業療法を中止すると回復の機会を失う。無為状態の改善には活動継続が有益。
- ✅ 3:妄想に深入りせず、作業活動に集中するよう声をかけ、症状から注意をそらす。
- ❌ 4:訴えを詳細に聴くことは妄想を強化する恐れがあり、この場面では作業への集中を促す方が適切。
- ❌ 5:妄想を「勘違い」と否定・指摘するのは不適(信頼関係を損なう)。
午後 問17(実地・正答 2)
ポイント:手洗いの反復・ゴミ箱の点検(強迫行為)を「ばかげている」と感じつつやめられない=強迫症。不合理さの自覚(自我違和感)が特徴。
- ❌ 1:視線恐怖は社交不安症の症状。
- ✅ 2:強迫症では強迫行為の不合理さを自覚している(自我違和的)。
- ❌ 3:フラッシュバックはPTSDの再体験症状。
- ❌ 4:孤立無援への恐れは分離不安等。
- ❌ 5:死への恐れはパニック症の発作時症状。
午後 問19(実地・正答 3)
ポイント:物忘れ+レム睡眠行動異常(睡眠中の大声・体動)+パーキンソニズム+幻視=レビー小体型認知症。転倒しやすいため立ち上がり時のふらつきに注意する指導が適切。
- ❌ 1:運動を控えると廃用を招く。適度な運動は推奨される。
- ❌ 2:新奇な趣味より慣れ親しんだ活動が適する。
- ✅ 3:レビー小体型認知症はパーキンソニズム・起立性低血圧で転倒しやすく、立ち上がり時のふらつきに注意する。
- ❌ 4:見当識への働きかけは有用で、気にしないよう促すのは不適。
- ❌ 5:幻視の相手を何度も話し合うのは不安を強める。
午後 問26(一般・正答 5)
ポイント:Kohs立方体組み合わせテストは知能検査で、IQ(知能指数)を算出できる。
- ❌ 1:MMSEは認知症スクリーニングでIQは算出しない。
- ❌ 2:RBMTは日常記憶の検査。
- ❌ 3:SLTAは失語症検査。
- ❌ 4:Rey複雑図形検査は視覚記憶・構成能力の検査。
- ✅ 5:Kohs立方体組み合わせテストは知能指数(IQ)を算出できる知能検査。
午後 問40(一般・正答 2)
ポイント:SCIT(社会認知およびコミュニケーション訓練)は、統合失調症等の社会認知(表情認知・心の理論・帰属バイアス等)に焦点を当てた介入。
- ❌ 1:運動機能は対象ではない。
- ✅ 2:SCITは社会認知(感情認知・対人推論等)に焦点を当てる。
- ❌ 3:言語流暢性は対象ではない。
- ❌ 4:機能的キャパシティは日常機能評価の概念。
- ❌ 5:ワーキングメモリー単独ではなく社会認知全般が対象。
午後 問41(一般・正答 5)
ポイント:身体症状症の患者は、症状の背景にある心理的要因について話し合うことに抵抗を示す(身体的原因にこだわる)のが特徴。
- ❌ 1:むしろ医学的検索を繰り返し求めることが多い(拒否は非典型)。
- ❌ 2:奇異な症状ではなく、実在しうる身体症状を訴える。
- ❌ 3:意図的な虚偽(詐病・作為症)とは異なり、症状は本人にとって現実。
- ❌ 4:身体症状に強い苦痛・とらわれがある(苦痛がないは誤り)。
- ✅ 5:心理的要因を話し合うことに抵抗を示す。
午後 問42(一般・正答 5)
ポイント:境界性パーソナリティ症のリスク管理では、自傷・自殺企図・衝動的逸脱等の行動化の履歴を優先的に把握し、安全確保に努める。
- ❌ 1:ADLは通常保たれ、リスク管理の優先情報ではない。
- ❌ 2:作業遂行能力もリスク管理の最優先ではない。
- ❌ 3:対人関係は重要だが、リスク管理では行動化履歴が最優先。
- ❌ 4:主訴の背景も重要だが、安全に直結する行動化履歴が優先。
- ✅ 5:行動化(自傷・自殺企図等)の履歴を優先的に収集しリスク管理する。
午後 問44(一般・正答 4)
ポイント:せん妄と認知症を見分ける最も有効な所見は意識障害(意識混濁・変動)。せん妄は意識障害を伴い、認知症は通常意識清明。
- ❌ 1:幻覚は両者でみられうる。
- ❌ 2:不安は特異的所見ではない。
- ❌ 3:易怒性も両者でみられる。
- ✅ 4:意識障害(意識レベルの変動)はせん妄に特徴的で認知症との鑑別点。
- ❌ 5:見当識障害は両者でみられる。
午後 問45(一般・正答 2)
ポイント:うつ病回復期前期は、まだ易疲労性が残るため、こまめに休憩をとるよう促し、活動と休息のバランスを保ちながら段階的に活動量を増やす。
- ❌ 1:「元気を出せ」と励ますのはうつ病では負担・自責を強める。
- ✅ 2:こまめに休憩をとるよう促し、無理のない活動を支援する。
- ❌ 3:退院後の生活を考えるのは回復期後期。前期には負担。
- ❌ 4:積極的な対人交流は前期には負担が大きい。
- ❌ 5:経験のある作業種目は有用だが、回復期前期はまず休息と負担軽減が優先。
午後 問49(一般・正答 1)
ポイント:GAF(機能の全体的評定尺度)は、精神症状と心理的・社会的・職業的機能を総合的に評価する尺度で、訪問支援での状態把握に適する。
- ✅ 1:GAFは心理的・社会的・職業的機能を総合的に評価する。
- ❌ 2:OSA(作業に関する自己評価)は本人の作業遂行の自己評価。
- ❌ 3:Rehabは精神科リハの行動評価(逸脱行動・全般的行動)。
- ❌ 4:作業質問紙は生活の時間配分・作業バランスの評価。
- ❌ 5:一般性自己効力感尺度は自己効力感のみを評価。
午後 問79(共通・正答 3)
ポイント:社会的に受け入れられない欲求(性欲)を、価値ある活動(スポーツ)に振り向けるのは昇華(sublimation)。
- ❌ 1:置き換えは対象を別のものに向け替える(八つ当たり等)。
- ❌ 2:合理化はもっともらしい理由づけで正当化する。
- ✅ 3:昇華は社会的に許容される形に欲求を振り向ける成熟した防衛機制。
- ❌ 4:退行は未熟な発達段階に戻る。
- ❌ 5:反動形成は本心と逆の態度をとる。
午後 問80(共通・正答 3)
ポイント:「不治の病で助からない」と身体的健康を過度に悲観する妄想は心気妄想。うつ病の微小妄想(心気・貧困・罪業)の一つ。
- ❌ 1:血統妄想は高貴な家系の出という誇大妄想。
- ❌ 2:誇大妄想は自己を過大評価する妄想。
- ✅ 3:心気妄想は重病・不治の病にかかっているという妄想。うつ病に多い。
- ❌ 4:迫害妄想は他者から害を加えられるという妄想。
- ❌ 5:被毒妄想は毒を盛られるという妄想。
午後 問81(共通・正答 45)
ポイント:HDS-R(改訂長谷川式)には数字の逆唱(逆から言う)と、野菜の名前をできるだけ多く言う(語列挙)が含まれる。
- ❌ 1:文章を書くのはMMSE(HDS-Rにはない)。
- ❌ 2:手の形の模倣はHDS-Rにない。
- ❌ 3:図版呼称はHDS-Rにない。
- ✅ 4:数字の逆唱はHDS-Rの項目。
- ✅ 5:野菜の名前の語列挙はHDS-Rの項目。
午後 問96(共通・正答 1)
ポイント:アルコール依存症では抑うつ(うつ病)が高頻度に併存する(自己治療的飲酒や神経毒性による)。
- ✅ 1:抑うつの併存が多い。
- ❌ 2:依存が進むと飲酒行動は画一化・単調化する(多様性は失われる)。
- ❌ 3:振戦せん妄では見当識障害・意識障害を伴う(保たれない)。
- ❌ 4:進行すると耐性が生じ、以前より多い量が必要になる(少ない量ではない)。
- ❌ 5:離脱の早期症候群は飲酒中止後6-24時間程度でみられる(72時間は振戦せん妄の時期)。
午後 問99(共通・正答 34)
ポイント:ACT(包括型地域生活支援)はチームによるケアマネジメントを行い、必要に応じ短時間でも頻回に訪問する。重度精神障害者が対象。
- ❌ 1:ACTは24時間365日対応で日中限定ではない。
- ❌ 2:ACTは重度・慢性の精神障害者が対象(軽度ではない)。
- ✅ 3:多職種チームによるケアマネジメントを行う。
- ✅ 4:短時間でも頻回に訪問する(アウトリーチ)。
- ❌ 5:スタッフ1人当たりの受持は10人程度に抑える(25人は多すぎる、低スタッフ比が特徴)。
午後 問100(共通・正答 2)
ポイント:系統的脱感作法では、不安階層表(不安の強さを段階的に並べたリスト)を作成し、弱い不安から順に拮抗条件づけ(リラクゼーション)を行う。
- ❌ 1:家族療法は家族システムへの介入で不安階層表は用いない。
- ✅ 2:系統的脱感作法は不安階層表を作成する。
- ❌ 3:行動活性化技法はうつ病への活動賦活で不安階層表は用いない。
- ❌ 4:内観療法は自己洞察を深める技法。
- ❌ 5:森田療法は絶対臥褥・あるがままを用い不安階層表は使わない。
第60回(2025年2月実施)
精神障害は第60回で31問出題。各問の詳しい解説は 第60回 精神障害 詳細ページ にまとめています。
トピック別の出題数(第60回)
| トピック | 出題数 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 統合失調症 | 6問 | 急性期〜回復期の作業療法、行動特性への対応、家族心理教育、SST |
| うつ病 | 6問 | 思考制止、復職支援(リワーク)、Borg指数、HAM-D、希死念慮への対応 |
| 認知症 | 4問 | NPI評価、BPSD(徘徊・不潔行為)、前頭側頭型の常同行動、AD評価 |
| 依存症 | 3問 | アルコール離脱(幻視)、肝性脳症(羽ばたき振戦)、CRAFT |
| パーソナリティ障害 | 2問 | 境界性PD(衝動発散・DBT)、TEACCHは不適切 |
| 不安症・解離症 | 2問 | 社交不安症、解離症への作業療法 |
| 集団療法 | 2問 | オープン/クローズドグループ、小集団の相互交流 |
| リワーク・心理教育 | 3問 | 復職プログラム、家族の対処能力向上、OT理論(ストレングスモデル) |
| 評価尺度 | 3問 | LASMI、HAM-D(非自記式)、NPI、BACS |
この解説について
本コンテンツは教育目的で無償公開しています。正答番号は厚生労働省が公表する事実データ、解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。
出典:「第60回・第61回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成。
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出典:「第60回理学療法士国家試験、第60回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(厚生労働省ホームページ)を加工して作成
※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。
最終更新:2026-07-18