発達・小児|理学療法士(PT)国家試験 過去問まとめ

理学療法士国家試験の発達・小児分野を、複数年分まとめて対策できるページです。脳性麻痺とGMFCS、原始反射・姿勢反応、発達検査(遠城寺式・WeeFIM・GMFM)、発達理論、自閉スペクトラム症など、出題テーマが年度をまたいで重なるのが特徴。第61回は10問、第60回は7問が出題されました。

問題文は著作権に配慮して掲載せず、正答番号(厚生労働省が公表する事実データ)と、Network-Primer独自の解説(正答理由・各選択肢の○×)を掲載しています。問題文は各年の全問ページからリンクする厚生労働省の公式PDFでご確認ください。

収録状況

年度実施発達・小児 出題数収録
第61回2026年2月10問✅ 解説あり
第60回2025年2月7問✅ 解説あり
第59回2024年2月順次追加
第58回2023年2月順次追加
第57回2022年2月順次追加

第56〜59回は、厚生労働省の公表資料をもとに順次追加していきます。

頻出テーマ(複数年で繰り返し問われる論点)

  • 脳性麻痺とGMFCS:レベルⅠ〜Ⅴと歩行・座位・移動手段の対応(第60回・第61回で連続出題)
  • 原始反射・姿勢反応:ATNR(非対称性緊張性頸反射)、パラシュート反応、支持機構の残存と消失時期
  • 発達評価尺度:WeeFIM(小児版FIM)、GMFM(粗大運動能力尺度)、遠城寺式発達検査
  • 発達理論:Piagetの認知発達段階、Eriksonの心理・社会的発達論
  • 自閉スペクトラム症(ASD):表情変化の乏しさ、こだわり・変化への適応困難
  • 小児疾患の理学療法:Down症候群、二分脊椎、発育性股関節形成不全、低出生体重児のポジショニング

第61回(2026年2月実施)

発達・小児は10問出題(実地4問・一般・共通6問/推定配点18点)。全問の正答・解説は 第61回 PT 全問ページ でも確認できます。

#時間帯区分テーマ正答
問11午前実地低出生体重児のポジショニング3,5
問35午前一般Down症候群乳児への支援の優先度1
問85午前共通遠城寺式発達検査・獲得の順序4
問12午後実地四つ這いから座位への姿勢変換と反応3,4
問17午後実地GMFCSレベルの判定4
問19午後実地二分脊椎L5レベルの歩行安定3
問34午後一般開排位保持装具の適応疾患5
問36午後一般GMFMの特徴2
問91午後共通アテトーゼ型脳性麻痺の特徴5
問98午後共通自閉スペクトラム症を示唆する所見4

午前 問11(実地・正答 3,5)

ポイント:低出生体重児のポジショニングは屈曲位・正中位指向が基本。肩甲帯前方突出位と股関節内外転中間位で、子宮内姿勢に近い安定した屈曲肢位を作る。

  • 1:頭部伸展位は反り返りを助長し不適。
  • 2:体幹伸展位は屈曲優位の発達を妨げる。
  • 3:肩甲帯前方突出位は上肢を体幹前方にまとめ、正中位指向を促す。
  • 4:肩関節外転位は肢を開き不安定にする。
  • 5:股関節内外転中間位は生理的な屈曲・中間位で安定する。

午前 問35(一般・正答 1)

ポイント:Down症候群乳児は筋緊張低下が特徴で、関節拘縮は生じにくい。よって関節拘縮予防の優先度が最も低い。摂食・抱き方・コミュニケーション・家族支援が優先。

  • 1:Down症候群は低緊張が特徴で拘縮を生じにくく、拘縮予防の優先度は最も低い。
  • 2:哺乳・摂食の問題が多く、離乳食の摂食指導は重要。
  • 3:家族のストレス対処は育児支援として重要。
  • 4:低緊張のため姿勢の安定を促す抱き方の指導は重要。
  • 5:発達支援としてコミュニケーションの取り方指導は重要。

午前 問85(共通・正答 4)

ポイント:遠城寺式発達検査で最も早く獲得するのは人見知り(生後6-7か月頃)。走る(2歳)、2語文、排尿予告(1歳半-2歳)、積み木2つ(1歳-1歳半)より早い。

  • 1:走るのは約2歳。
  • 2:2語言えるのは約1歳。
  • 3:排尿予告は約1歳半〜2歳。
  • 4:人見知りは生後6-7か月頃で最も早く獲得する。
  • 5:積み木を2つ重ねるのは約1歳〜1歳半。

午後 問12(実地・正答 3,4)

ポイント:四つ這いから座位へ安全に戻る動作には、姿勢を保つ立ち直り反応系と、バランスを崩した際に手を突いて身体を守る側方パラシュート反応(保護伸展反応)が必要。

  • 1:自動歩行は新生児期の原始反射で、生後2か月頃までに消失する。
  • 2:背屈反応は立ち直り反応の一つだが、この動作の正答組合せには含まれない。
  • 3:足底の支持反応(立ち直り・支持機構)がこの姿勢変換で観察される。
  • 4:側方パラシュート反応(保護伸展反応)は座位バランスの保持に必要で観察される。
  • 5:非対称性緊張性頸反射(ATNR)は原始反射で生後4〜6か月に消失する。

午後 問17(実地・正答 4)

ポイント:座位保持できず、立位・移乗に介助が必要、歩行器で介助歩行、屋外は車椅子=GMFCSレベルⅣ(座位保持に支持が必要、移動は電動車椅子や介助)。

  • 1:レベルⅠは制限なく歩行。
  • 2:レベルⅡは手すりなしで歩行するが制限あり。
  • 3:レベルⅢは手持ち歩行器等で歩行。座位は保持可能。
  • 4:レベルⅣは座位保持に支持が必要で、自力移動が制限され電動車椅子や介助を要する。本例に合致。
  • 5:レベルⅤは頭部・体幹の抗重力保持も困難で全介助。

午後 問19(実地・正答 3)

ポイント:二分脊椎L5レベルでは中殿筋(股外転・骨盤安定:L4-S1)の機能が不十分でTrendelenburg歩行を呈しやすい。歩行安定には中殿筋の強化が最優先。

  • 1:腸腰筋(L1-3)はL5レベルでは保たれている。
  • 2:大殿筋(L5-S2)も重要だが、立脚期の骨盤水平保持には中殿筋が最優先。
  • 3:中殿筋強化で立脚期の骨盤傾斜(Trendelenburg)を防ぎ、歩行を安定させる。
  • 4:大腿四頭筋(L2-4)はL5レベルで保たれている。
  • 5:前脛骨筋(L4-5)も関与するが、歩行の左右不安定の主因は中殿筋不全。

午後 問34(一般・正答 5)

ポイント:開排位保持装具(リーメンビューゲル装具等)は発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)の治療に用いる。

  • 1:脳性麻痺には短下肢装具等を用いる。
  • 2:Down症候群に特異的な装具ではない。
  • 3:先天性内反足はDenis-Browne装具やギプス(Ponseti法)を用いる。
  • 4:筋ジストロフィーには長下肢装具等。
  • 5:発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)には開排位保持装具(リーメンビューゲル等)を用いる。

午後 問36(一般・正答 2)

ポイント:GMFM(粗大運動能力尺度)はItem Map(項目マップ)を作成でき、GMFM-66ではRasch分析による項目困難度の順序が示される。

  • 1:GMFMは脳性麻痺が主対象で、二分脊椎専用ではない。
  • 2:GMFM-66ではItem Map(項目困難度マップ)を作成できる。
  • 3:対象年齢は概ね5か月〜16歳程度で「0〜18歳」は不正確。
  • 4:GMFMは粗大運動を評価し、セルフケアは含まない(それはPEDIやWeeFIM)。
  • 5:レベルⅠ〜Ⅴの分類はGMFCS(重症度分類)で、GMFMではない。

午後 問91(共通・正答 5)

ポイント:アテトーゼ型脳性麻痺は錐体外路(大脳基底核)障害で、不随意運動(アテトーゼ)が特徴的。痙直型は錐体路障害で痙縮が主。

  • 1:視覚障害は両型でみられ、アテトーゼ型に特異的ではない。
  • 2:知的障害はむしろ痙直型で合併しやすい。
  • 3:てんかんは痙直型で合併が多い。
  • 4:歩行障害は両型でみられる。
  • 5:不随意運動(アテトーゼ)はアテトーゼ型に特徴的。

午後 問98(共通・正答 4)

ポイント:自閉スペクトラム症は、予定変更など環境の変化への適応困難(こだわり・柔軟性の欠如)が特徴。

  • 1:発作が心配で移動できないのはパニック症・広場恐怖。
  • 2:何度も確認するのは強迫症。
  • 3:現実感がないのは離人・現実感消失症。
  • 4:予定変更に対応できず感情が乱れるのはASDの柔軟性欠如・こだわりを示唆。
  • 5:人前で緊張して話せないのは社交不安症。

第60回(2025年2月実施)

「小児」として7問出題(実地1問・一般6問/配点9点)。各問の詳しい解説は 第60回 小児 詳細ページ、全問の正答は 第60回 PT 全問ページ にまとめています。

#時間帯区分問題(要約)正答
問25午前一般6〜12歳におけるGMFCSレベルと動作能力の組合せ2
問31午前一般WeeFIMで正しいのはどれか5
問80午前一般Piagetの発達論で0〜2歳ころ1
問99午前一般自閉スペクトラム症児にみられる特徴1
問6午後実地 📷脳性麻痺(痙直型四肢麻痺)児の背臥位姿勢に影響する反射5
問81午後一般Eriksonの心理・社会的発達論で高齢者が克服すべき課題1
問90午後一般腰椎椎間板ヘルニアで正しいのはどれか5

午前 問25(一般・正答 2)

ポイント:GMFCS(粗大運動能力分類システム)レベルⅡの6-12歳は、屋内外で歩行可能だが走ったり跳んだりする能力に制限がある。装具なしで歩行可能。

  • 1:レベルⅠは制限なく歩行可能。階段も手すりなしで可能。
  • 2:レベルⅡは装具なしで歩行可能だが、不整地や長距離では制限がある。
  • 3:レベルⅢは歩行補助具を使用して歩行。不整地歩行は困難。
  • 4:レベルⅣは自力移動に制限があり、車椅子を使用。通常の椅子では座位保持が困難な場合がある。
  • 5:レベルⅤは重度の運動制限。四つ這い移動は困難。

午前 問31(一般・正答 5)

ポイント:WeeFIMは小児版FIMで、社会的交流の項目で「遊び」への参加を評価する点がFIMと異なる特徴。

  • 1:WeeFIMは「している活動」(実行状況)を評価する。「できる活動」ではない。
  • 2:WeeFIMの検査項目は18項目(FIMと同数)。15項目ではない。
  • 3:適応年齢は6か月〜7歳が主な対象。8歳以上ではない。
  • 4:FIMと同様に7段階評価。6段階ではない。
  • 5:WeeFIMの社会的交流項目では、成人のFIMと異なり「遊びへの参加」を評価する。

午前 問80(一般・正答 1)

ポイント:Piagetの認知発達理論で、0-2歳は感覚運動期。感覚と運動を通じて外界を理解する段階。

  • 1:0-2歳は感覚運動期。対象の永続性の獲得が課題。
  • 2:具体的操作期は7-11歳。論理的思考の発達。
  • 3:形式的操作期は11歳以降。抽象的思考の発達。
  • 4:潜在期はFreudの発達論(6-12歳)。Piagetではない。
  • 5:前操作期は2-7歳。象徴的思考の発達。

午前 問99(一般・正答 1)

ポイント:ASD児は表情変化が乏しく、非言語コミュニケーションの困難が特徴。

  • 1:表情変化の乏しさはASDの特徴。感情表出が限定的。
  • 2:共感性の乏しさがASDの特徴。豊かではない。
  • 3:ASD児は物語より図鑑を好む傾向(体系的情報への関心)。
  • 4:想像力の限定がASDの特徴。ごっこ遊びが苦手。
  • 5:暗黙のルールの理解が困難なのがASDの特徴。

午後 問6(実地・正答 5)

ポイント:背臥位で頭部回旋に伴い顔側が伸展、後頭側が屈曲する非対称パターンはATNR(非対称性緊張性頸反射)の影響。

  • 1:Moro反射は突然の刺激で上肢を外転・伸展する反射。
  • 2:陽性支持反射は足底刺激で下肢を伸展する反射。
  • 3:緊張性迷路反射は頭部の位置(前屈/後屈)で四肢の筋緊張が変化。左右非対称パターンではない。
  • 4:対称性緊張性頸反射は頭部前屈で上肢屈曲・下肢伸展(またはその逆)。左右対称のパターン。
  • 5:ATNRは頭部回旋により顔側が伸展、後頭側が屈曲する非対称パターン。痙直型四肢麻痺で残存しやすい。

午後 問81(Eriksonの発達論)・問90(腰椎椎間板ヘルニア)は正答のみ収録しています。選択肢別の解説は順次追加していきます。


この解説について

本コンテンツは教育目的で無償公開しています。正答番号は厚生労働省が公表する事実データ、解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。

出典:「第60回・第61回理学療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成。


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出典:「第60回理学療法士国家試験、第60回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(厚生労働省ホームページ)を加工して作成

※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。

最終更新:2026-07-26

監修:永岡誠司・津川義弘・田村和久(やしまリハビリステーション)・前田匡史(せと)(いずれも理学療法士・当社勤務)

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