老年期|第61回 理学療法士国家試験(5問)

第61回理学療法士国家試験の老年期分野(全5問)。問題文は著作権に配慮して掲載せず、正答とNetwork-Primer独自解説(正答理由・各選択肢の○×)を掲載しています。問題文は第61回 PT 全問ページおよび厚生労働省の公式PDFでご確認ください。

概要

項目数値
出題数5問
実地問題1問(3点)
一般・共通問題4問(4点)
推定配点7点

正答一覧

#時間帯区分正答
問19午前実地2
問32午前一般3
問23午後一般2
問27午後一般2,3
問82午後共通1,5

解説

午前 問19(実地・正答 2)

入院に伴う安静で生じた活動制限=HAD(Hospitalization Associated Disability、入院関連機能障害)。廃用による生活機能低下。

  1. ❌ AE(急性増悪)は疾患自体の悪化を指す。
  2. ⭕ HADは入院中の安静により生じる新たな生活機能低下。本例に合致。
  3. ❌ ICU-AWはICU在室に伴う筋力低下で、一般病棟の本例とは異なる。
  4. ❌ NYHA Ⅰは無症状の心機能分類で状態説明にならない。
  5. ❌ PICSは集中治療後症候群でICU治療歴が前提。

午前 問32(一般・正答 3)

加齢性筋萎縮(サルコペニア)では、抗重力筋(下肢・体幹の姿勢保持筋)の筋力トレーニングが日常生活機能維持に最も重要。

  1. ❌ 高齢者には短期集中でなく、継続的・漸進的な負荷が適する。
  2. ❌ 加齢では速筋(TypeⅡ)線維が優先的に萎縮するため、Type Ⅱの強化を意識する。
  3. ⭕ 抗重力筋の筋力トレーニングは立位・歩行など生活機能維持に直結し最も適切。
  4. ❌ 併存疾患があっても安全に配慮して集団運動は実施可能。除外する必要はない。
  5. ❌ 高齢者には最大負荷の90%は高すぎ危険。中等度(60-80%)で行う。

午後 問23(一般・正答 2)

ロコモティブシンドロームは運動器の障害により移動機能が低下した状態。サルコペニア(筋量・筋力低下)はロコモの一因となる。

  1. ❌ ロコモは運動器の障害で、社会的脆弱性はフレイルの概念に含まれる。
  2. ⭕ サルコペニアは筋量・筋力低下でロコモの主要な一因。
  3. ❌ ロコモ度は3段階(ロコモ度1・2・3)で5段階ではない。
  4. ❌ 診断はロコモ度テスト(立ち上がり・2ステップ・ロコモ25)で、筋力測定必須ではない。
  5. ❌ ロコトレは開眼片脚立ちとスクワット。閉眼スクワットは転倒リスクで不適。

午後 問27(一般・正答 2,3)

転倒予防では、認知機能低下が転倒リスクに関連することを踏まえ、静的バランスから動的バランスへ段階的に練習を進めるのが適切。

  1. ❌ 転倒高リスク群ではTUG時間は延長する(短くない)。
  2. ⭕ 認知機能の低下(注意・遂行機能低下)は転倒リスクと強く関連する。
  3. ⭕ 静的バランス→動的バランスへ段階的に難度を上げるのが安全で効果的。
  4. ❌ 歩行速度を上げることを最優先すると転倒リスクが増す。安全性が優先。
  5. ❌ バランスに関与する感覚は体性感覚・前庭・視覚で、温痛覚が最重要ではない。

午後 問82(共通・正答 1,5)

AWGS 2019のサルコペニア診断は、筋量低下+(筋力低下 or 身体機能低下)。評価項目は筋量・握力(筋力)・歩行速度(身体機能)。選択肢中は筋量と歩行速度。

  1. ⭕ 筋量(骨格筋量指数)はサルコペニアの必須評価項目。
  2. ❌ 身長は単独の評価項目ではない。
  3. ❌ 体重は単独の評価項目ではない。
  4. ❌ 骨密度は骨粗鬆症の指標でサルコペニア診断項目ではない。
  5. ⭕ 歩行速度は身体機能の評価項目。

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出典:「第60回理学療法士国家試験、第60回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(厚生労働省ホームページ)を加工して作成

※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。

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