解剖学|第61回 理学療法士国家試験(20問)
第61回理学療法士国家試験の解剖学分野(全20問)。問題文は著作権に配慮して掲載せず、正答とNetwork-Primer独自解説(正答理由・各選択肢の○×)を掲載しています。問題文は第61回 PT 全問ページおよび厚生労働省の公式PDFでご確認ください。
概要
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 出題数 | 20問 |
| 実地問題 | 0問(0点) |
| 一般・共通問題 | 20問(20点) |
| 推定配点 | 20点 |
正答一覧
| # | 時間帯 | 区分 | 正答 |
|---|---|---|---|
| 問21 | 午前 | 一般 | 3 |
| 問39 | 午前 | 一般 | 2 |
| 問51 | 午前 | 共通 | 1 |
| 問52 | 午前 | 共通 | 4 |
| 問53 | 午前 | 共通 | 5 |
| 問54 | 午前 | 共通 | 3 |
| 問55 | 午前 | 共通 | 3 |
| 問56 | 午前 | 共通 | 2 |
| 問57 | 午前 | 共通 | 5 |
| 問58 | 午前 | 共通 | 5 |
| 問59 | 午前 | 共通 | 3 |
| 問71 | 午前 | 共通 | 3 |
| 問41 | 午後 | 一般 | 5 |
| 問51 | 午後 | 共通 | 3 |
| 問52 | 午後 | 共通 | 2 |
| 問53 | 午後 | 共通 | 2,5 |
| 問54 | 午後 | 共通 | 2 |
| 問55 | 午後 | 共通 | 2 |
| 問56 | 午後 | 共通 | 1 |
| 問60 | 午後 | 共通 | 2 |
解説
午前 問21(一般・正答 3)
腕橈骨筋反射の反射中枢はC5・C6。深部反射と髄節レベルの正しい対応を選ぶ。
- ❌ 上腕二頭筋反射はC5・C6(C3・C4ではない)。
- ❌ 上腕三頭筋反射はC7・C8(C4・C5ではない)。
- ⭕ 腕橈骨筋反射はC5・C6が反射中枢。正しい。
- ❌ 膝蓋腱反射はL2~L4(T12・L1ではない)。
- ❌ アキレス腱反射はS1・S2(L3・L4ではない)。
午前 問39(一般・正答 2)
外的刺激(視覚・聴覚など)に基づく運動の準備・計画に関わるのは運動前野(premotor area)。内的に生成する運動は補足運動野が担う。
- ❌ 小脳は運動の協調・タイミング調整。
- ⭕ 運動前野は外的手がかりに基づく運動の準備に関与する。
- ❌ 一次運動野は運動の実行(指令送出)。
- ❌ 大脳基底核は運動の開始・抑制・自動化。
- ❌ 補足運動野は内的に生成される(自発的)運動系列の準備を担う。
午前 問51(共通・正答 1)
三角骨(手根骨近位列の尺側)は橈側で月状骨と接し、掌側に豆状骨が乗り、遠位で有鈎骨と接する。選択肢中では月状骨が接する。
- ⭕ 三角骨は近位手根列で月状骨と橈側で接する。
- ❌ 舟状骨は近位列橈側にあり三角骨と接しない。
- ❌ 小菱形骨は遠位列にあり接しない。
- ❌ 大菱形骨は遠位列橈側で接しない。
- ❌ 有頭骨は遠位列中央で三角骨とは直接接しない(有鈎骨を介する)。
午前 問52(共通・正答 4)
白線(linea alba)は腹部正中を縦走する腱膜で、腹直筋の内側縁(腹直筋鞘の癒合部)に存在する。
- ❌ 僧帽筋は背部の筋で白線を持たない。
- ❌ 上腕二頭筋は上肢の筋。
- ❌ 大胸筋は胸部の筋。
- ⭕ 白線は腹直筋の正中で左右の腹直筋鞘が癒合して形成される。
- ❌ 半膜様筋は大腿後面の筋。
午前 問53(共通・正答 5)
中心後回(頭頂葉)は一次体性感覚野(S1)で、触覚・位置覚等の体性感覚を受容する。
- ❌ 一次運動野は中心前回(前頭葉)。
- ❌ 一次嗅覚野は側頭葉内側(梨状皮質等)。
- ❌ 一次視覚野は後頭葉。
- ❌ 一次聴覚野は側頭葉(横側頭回)。
- ⭕ 中心後回は一次体性感覚野。
午前 問54(共通・正答 3)
外側毛帯(lateral lemniscus)は聴覚伝導路で、蝸牛神経核からの聴覚情報を下丘・内側膝状体へ伝える。
- ❌ 嗅覚は嗅索を通り毛帯を経ない。
- ❌ 視覚は視索・視放線を通る。
- ⭕ 外側毛帯は聴覚情報を伝導する。
- ❌ 痛覚は外側脊髄視床路→内側毛帯系とは別経路(前外側系)。
- ❌ 深部覚(触・圧・固有覚)は内側毛帯を通る。
午前 問55(共通・正答 3)
動脈壁は内膜・中膜・外膜の3層構造からなる。中膜に平滑筋・弾性線維が発達している。
- ❌ 弁があるのは静脈(動脈にはない)。
- ❌ 容量血管とよばれるのは静脈(血液を貯留)。
- ⭕ 動脈壁は内膜・中膜・外膜の3層構造からなる。
- ❌ 動脈は静脈より血流速度が速い。
- ❌ 血管平滑筋には交感神経が分布する(副交感ではない)。
午前 問56(共通・正答 2)
咽頭(上咽頭)は耳管を介して中耳(鼓室)と交通する。
- ❌ 鼻前庭は皮膚(重層扁平上皮・鼻毛)で覆われ、粘膜ではない。
- ⭕ 咽頭は耳管を介して中耳と交通する。
- ❌ 喉頭は上気道に含まれる(下気道は気管以下)。
- ❌ 気管は第6頸椎の高さ(輪状軟骨下縁)から始まる(第4頸椎ではない)。
- ❌ 蝸牛管では基底膜の振動が受容器(有毛細胞)を刺激する。内リンパの流れを感知するのは半規管。
午前 問57(共通・正答 5)
自由神経終末は被膜を持たない神経終末で、痛覚(および温度覚)を受容する。
- ❌ 圧覚はPacini小体・Ruffini終末等の被包性受容器。
- ❌ 関節の動きは関節受容器・固有受容器。
- ❌ 筋の伸展は筋紡錘。
- ❌ 触覚はMeissner小体・Merkel盤。
- ⭕ 自由神経終末は痛覚を受容する。
午前 問58(共通・正答 5)
上前腸骨棘(ASIS)のすぐ遠位で触知でき、ASISから起始するのは縫工筋。
- ❌ 大腿直筋は下前腸骨棘(AIIS)から起始し、ASIS遠位ではない。
- ❌ 薄筋は恥骨から起始し大腿内側にある。
- ❌ 半腱様筋は坐骨結節から起始。
- ❌ 半膜様筋も坐骨結節から起始。
- ⭕ 縫工筋はASISから起始し、そのすぐ遠位で筋緊張を触知できる。
午前 問59(共通・正答 3)
Scarpa三角(大腿三角)には大腿神経・大腿動静脈が通る。「Scarpa三角:大腿神経」が正しい組合せ。
- ❌ Frohseアーケードは後骨間神経(橈骨神経深枝)が通る(坐骨神経ではない)。
- ❌ Guyon管は尺骨神経が通る(正中神経ではない)。
- ⭕ Scarpa三角(大腿三角)を大腿神経が通る。
- ❌ 手根管は正中神経が通る(尺骨神経ではない)。
- ❌ タバコ窩(解剖学的嗅ぎタバコ入れ)には橈骨動脈が通る(後骨間神経ではない)。
午前 問71(共通・正答 3)
大腿骨頭靱帯(円靱帯)内には大腿骨頭への栄養血管(閉鎖動脈の枝)が走行し、血液供給を伴う。
- ❌ 寛骨臼横靱帯は血行に乏しい。
- ❌ 坐骨大腿靱帯は関節包靱帯で栄養血管を伴わない。
- ⭕ 大腿骨頭靱帯(円靱帯)は大腿骨頭への栄養血管を含む。
- ❌ 恥骨大腿靱帯は関節包靱帯。
- ❌ 腸骨大腿靱帯(Y靱帯)は関節包靱帯。
午後 問41(一般・正答 5)
顔面神経(Ⅶ)は表情筋を支配する。口唇を閉じさせ、開こうとする力に抵抗できるか(口輪筋の筋力)を見ることで顔面神経機能を評価する。
- ❌ 眼瞼下垂は動眼神経(Ⅲ)の評価。
- ❌ 挺舌時の舌偏移は舌下神経(Ⅻ)の評価。
- ❌ 咬筋の収縮は三叉神経(Ⅴ)運動枝の評価。
- ❌ 口蓋垂の偏移は迷走神経(Ⅹ)の評価。
- ⭕ 口唇閉鎖(口輪筋)の力を見るのは顔面神経(Ⅶ)の評価。
午後 問51(共通・正答 3)
Brown-Séquard症候群(脊髄半側切断)では、損傷レベル以下の対側に温痛覚障害(外側脊髄視床路の交叉による)が出現する。同側は深部覚・運動麻痺。
- ❌ 筋強剛は錐体外路症状で本症候群の主症状ではない。
- ❌ 運動麻痺は損傷と同側(錐体路は延髄で交叉済み)。
- ⭕ 対側に温痛覚障害が出現する(脊髄視床路が脊髄で交叉するため)。
- ❌ 深部覚障害は同側(後索は延髄まで同側上行)。
- ❌ 手袋靴下型感覚障害は末梢神経障害の所見。
午後 問52(共通・正答 2)
内側毛帯は後索-内側毛帯系の一部で、触覚・深部覚を視床(VPL核)へ上行性に伝える。
- ❌ 副神経は運動神経(僧帽筋・胸鎖乳突筋支配)で上行性感覚路ではない。
- ⭕ 内側毛帯は触覚・深部覚を視床へ上行性に伝える。
- ❌ 皮質橋路は下行性(大脳→橋)。
- ❌ 赤核脊髄路は下行性運動路。
- ❌ 皮質脊髄路は下行性運動路。
午後 問53(共通・正答 2,5)
橈骨神経は腕橈骨筋を支配し、腕神経叢の後神経束から分枝する。
- ❌ 円回内筋は正中神経支配。
- ⭕ 腕橈骨筋は橈骨神経支配。
- ❌ 前骨間神経は正中神経の分枝(後骨間神経が橈骨神経の分枝)。
- ❌ 手掌の皮膚感覚は主に正中神経・尺骨神経支配(橈骨神経は手背橈側)。
- ⭕ 橈骨神経は腕神経叢の後神経束から分枝する。
午後 問54(共通・正答 2)
三叉神経(Ⅴ)は橋から出る脳神経。橋と中小脳脚の境界付近から起こる。
- ❌ 滑車神経(Ⅳ)は中脳背側から出る。
- ⭕ 三叉神経(Ⅴ)は橋から出る。
- ❌ 舌咽神経(Ⅸ)は延髄から出る。
- ❌ 動眼神経(Ⅲ)は中脳から出る。
- ❌ 迷走神経(Ⅹ)は延髄から出る。
午後 問55(共通・正答 2)
広背筋は胸背神経(C6〜C8、腕神経叢後神経束の枝)に支配される。肩関節の内転・内旋・伸展に働き、腋窩後壁を構成する。
- ❌ 腋窩神経は三角筋・小円筋を支配。
- ⭕ 広背筋は胸背神経支配。
- ❌ 筋皮神経は上腕屈筋群(上腕二頭筋等)を支配。
- ❌ 肩甲上神経は棘上筋・棘下筋を支配。
- ❌ 長胸神経は前鋸筋を支配。
午後 問56(共通・正答 1)
後大脳動脈は視床(視床膝状体動脈等の穿通枝)・後頭葉・側頭葉下面を栄養する。視床が該当。
- ⭕ 視床は後大脳動脈の穿通枝により栄養される。
- ❌ 被殻は中大脳動脈(レンズ核線条体動脈)。
- ❌ 淡蒼球は前脈絡叢動脈・中大脳動脈。
- ❌ 尾状核は前・中大脳動脈。
- ❌ 扁桃体は前脈絡叢動脈・後大脳動脈枝だが主たる正答は視床。
午後 問60(共通・正答 2)
尺骨神経は肘部で肘頭と上腕骨内側上顆の間(肘部管)を通り、体表から触知できる。
- ❌ 脛骨神経は内果とアキレス腱の間(足根管)を通る(外果ではない)。
- ⭕ 尺骨神経は肘頭と上腕骨内側上顆の間で触知できる。
- ❌ 正中神経は上腕内側を走行(烏口腕筋の外側ではない)。
- ❌ 腕神経叢は斜角筋隙・鎖骨上窩で触知(胸鎖乳突筋の頭間ではない)。
- ❌ 総腓骨神経は腓骨頭後方で触知(膝窩の半腱様筋内側ではない)。
出典:「第60回理学療法士国家試験、第60回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(厚生労働省ホームページ)を加工して作成
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