病理学|第61回 理学療法士国家試験(13問)

第61回理学療法士国家試験の病理学分野(全13問)。問題文は著作権に配慮して掲載せず、正答とNetwork-Primer独自解説(正答理由・各選択肢の○×)を掲載しています。問題文は第61回 PT 全問ページおよび厚生労働省の公式PDFでご確認ください。

概要

項目数値
出題数13問
実地問題0問(0点)
一般・共通問題13問(13点)
推定配点13点

正答一覧

#時間帯区分正答
問47午前一般5
問75午前共通2
問76午前共通1,2
問77午前共通1
問86午前共通2
問87午前共通5
問93午前共通2
問76午後共通3
問77午後共通1
問84午後共通4
問93午後共通5
問94午後共通2
問97午後共通4

解説

午前 問47(一般・正答 5)

急性灰白髄炎(ポリオ)の病原体はポリオウイルスで、細菌ではない。組合せの誤りを選ぶ問題。

  1. ❌ (正しい):Creutzfeldt-Jakob病はプリオンが原因。
  2. ❌ (正しい):エイズ脳症はHIV(ウイルス)が原因。
  3. ❌ (正しい):進行麻痺は梅毒トレポネーマ(スピロヘータ)が原因。
  4. ❌ (正しい):日本脳炎は日本脳炎ウイルスが原因。
  5. ⭕ (誤り):急性灰白髄炎(ポリオ)はポリオウイルスが原因で、細菌ではない。

午前 問75(共通・正答 2)

骨髄(造血組織)は再生能力が非常に高い(labile cells)。角膜上皮も再生するが、選択肢中で最も再生能力が高いのは骨髄。

  1. ❌ 角膜(実質)の再生能力は限定的。角膜上皮は再生するが骨髄ほどではない。
  2. ⭕ 骨髄(造血細胞)は再生能力が最も高い。
  3. ❌ 心筋は再生能力がほとんどない(永久細胞)。
  4. ❌ 神経(中枢)は再生能力が極めて低い。
  5. ❌ 横紋筋(骨格筋)は衛星細胞による一定の再生能力はあるが骨髄ほど高くない。

午前 問76(共通・正答 1,2)

病因の物理的要因は騒音(物理的エネルギー)と紫外線(電磁波)。フグ毒・ウイルスは生物学的、一酸化炭素は化学的要因。

  1. ⭕ 騒音は物理的要因(音響エネルギー)。
  2. ⭕ 紫外線は物理的要因(電磁波・放射線)。
  3. ❌ フグ毒(テトロドトキシン)は生物学的(化学的)要因。
  4. ❌ ウイルスは生物学的要因。
  5. ❌ 一酸化炭素は化学的要因。

午前 問77(共通・正答 1)

急性炎症の初期徴候は発赤・腫脹・熱感・疼痛(・機能障害)の5徴。壊疽は組織が壊死・腐敗した状態で急性炎症初期にはみられない。

  1. ⭕ 壊疽は組織の壊死・腐敗で、急性炎症初期の徴候ではない。
  2. ❌ 腫脹は急性炎症の徴候。
  3. ❌ 疼痛は急性炎症の徴候。
  4. ❌ 熱感は急性炎症の徴候。
  5. ❌ 発赤は急性炎症の徴候。

午前 問86(共通・正答 2)

頭部CTはMRIに比べ短時間で撮影できる(数秒〜数十秒)。急性期の出血診断に優れ、被曝はある。

  1. ❌ CTはX線を用いるため被曝する。
  2. ⭕ CTは短時間で撮影でき、救急で有用。
  3. ❌ 脳幹部の病巣描出はMRIが優れる(CTは骨アーチファクトが出やすい)。
  4. ❌ CTは急性期の脳出血診断に極めて有効(高吸収域)。
  5. ❌ 超急性期脳梗塞の診断はMRI(拡散強調画像)が有用でCTは不得手。

午前 問87(共通・正答 5)

アスピリンの主作用は鎮痛(消炎鎮痛・解熱)。低用量では抗血小板作用も持つが、主作用は鎮痛。

  1. ❌ 抗菌作用はない。
  2. ❌ 催眠作用はない。
  3. ❌ 止血ではなく、むしろ抗血小板(出血傾向)に働く。
  4. ❌ 鎮咳作用は主作用ではない。
  5. ⭕ アスピリンの主作用は鎮痛(解熱・消炎鎮痛)。

午前 問93(共通・正答 2)

悪性骨軟部腫瘍の確定診断には生検(組織診)が最も重要。画像は補助的で、確定は病理組織学的検査による。

  1. ❌ PET-CTは病期診断・転移検索に有用だが確定診断ではない。
  2. ⭕ 生検(組織診)が悪性腫瘍の確定診断に最も重要。
  3. ❌ 血液検査は補助的(腫瘍マーカー等)。
  4. ❌ 骨密度測定は骨粗鬆症の評価。
  5. ❌ 超音波検査はスクリーニング的。

午後 問76(共通・正答 3)

ノロウイルスは汚染された食品・水を介して経口感染する(食中毒・胃腸炎)。

  1. ❌ 結核菌は空気(飛沫核)感染。
  2. ❌ 破傷風菌は創傷からの経皮感染(土壌中の芽胞)。
  3. ⭕ ノロウイルスは経口感染(食品・水・糞口)する。
  4. ❌ コロナウイルスは飛沫・接触感染。
  5. ❌ B型肝炎ウイルスは血液・体液を介した感染。

午後 問77(共通・正答 1)

がんの骨転移による症候は疼痛・病的骨折・脊髄圧迫・高カルシウム血症。振戦は骨転移の症候ではない。

  1. ⭕ 振戦は骨転移による症候ではない。
  2. ❌ 疼痛は骨転移の主症状。
  3. ❌ 脊椎転移による脊髄圧迫は重要な症候。
  4. ❌ 病的骨折は骨転移の合併症。
  5. ❌ 高カルシウム血症は骨破壊による症候。

午後 問84(共通・正答 4)

TNM分類は多くの固形がんに共通して用いる病期分類の枠組みで、臓器特異的ではない(T・N・Mの基準は臓器ごとに定義される)。「臓器に特異的な分類」は誤り。

  1. ❌ (正しい):TNMはがんの病期分類である。
  2. ❌ (正しい):T(腫瘍の大きさ・進展)を含める。
  3. ❌ (正しい):M(遠隔転移の有無)を含める。
  4. ⭕ (誤り):TNMは多くのがんに共通の枠組みで、臓器特異的な分類ではない。
  5. ❌ (正しい):N(リンパ節転移の有無)を含める。

午後 問93(共通・正答 5)

仙骨(S2-S5)は骨盤輪の一部で可動性が少なく、荷重も分散されるため転移時も相対的に安定性が高い。

  1. ❌ C7-T2(頸胸椎移行部)は可動性が大きく不安定になりやすい。
  2. ❌ T11-L1(胸腰椎移行部)は力学的負荷が集中し不安定。
  3. ❌ L2・L3(腰椎)は荷重負荷が大きい。
  4. ❌ L5・S1(腰仙椎移行部)は負荷が集中。
  5. ⭕ S2-S5(仙骨下部)は可動性が少なく安定性が高い。

午後 問94(共通・正答 2)

放射線療法の晩期(数か月〜数年後)の副作用に骨壊死(放射線骨壊死)がある。結膜炎・脱毛・宿酔は早期(急性期)副作用。

  1. ❌ 結膜炎は早期(急性期)反応。
  2. ⭕ 骨壊死は晩期(遅発性)の副作用。
  3. ❌ 脱毛は早期反応。
  4. ❌ 脳浮腫は照射早期〜亜急性。
  5. ❌ 放射線宿酔は照射直後の急性反応。

午後 問97(共通・正答 4)

水俣病はメチル水銀(有機水銀)による中枢神経障害。工場排水による環境汚染が原因。

  1. ❌ カドミウムはイタイイタイ病の原因。
  2. ❌ 鉛は鉛中毒(貧血・末梢神経障害)。
  3. ❌ マンガンはマンガン中毒(パーキンソニズム)。
  4. ⭕ 水俣病の原因は有機水銀(メチル水銀)。
  5. ❌ 有機リンは農薬中毒(コリンエステラーゼ阻害)。

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出典:「第60回理学療法士国家試験、第60回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(厚生労働省ホームページ)を加工して作成

※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。

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