発達・小児|第61回 作業療法士国家試験(10問)
第61回作業療法士国家試験の発達・小児分野(全10問)。問題文は著作権に配慮して掲載せず、正答とNetwork-Primer独自解説(正答理由・各選択肢の○×)を掲載しています。問題文は第61回 OT 全問ページおよび厚生労働省の公式PDFでご確認ください。
概要
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 出題数 | 10問 |
| 実地問題 | 4問(12点) |
| 一般・共通問題 | 6問(6点) |
| 推定配点 | 18点 |
正答一覧
| # | 時間帯 | 区分 | 正答 |
|---|---|---|---|
| 問8 | 午前 | 実地 | 3 |
| 問16 | 午前 | 実地 | 3 |
| 問35 | 午前 | 一般 | 5 |
| 問85 | 午前 | 共通 | 4 |
| 問5 | 午後 | 実地 | 3 |
| 問18 | 午後 | 実地 | 3 |
| 問43 | 午後 | 一般 | 2 |
| 問46 | 午後 | 一般 | 3 |
| 問91 | 午後 | 共通 | 5 |
| 問98 | 午後 | 共通 | 4 |
解説
午前 問8(実地・正答 3)
重症心身障害児で強い筋緊張・重度側弯・経管栄養。まず座位ポジショニングにより姿勢を安定させ、変形進行予防・呼吸/摂食環境の改善など生活の基盤を整えるのが最優先。
- ❌ 経管栄養で嚥下困難があり、飲水訓練を最初に行うのは危険。
- ❌ 重度障害児に複雑な課題を自力では不適。
- ⭕ 座位ポジショニングで姿勢を安定させ、変形予防・生活基盤づくりを行う。
- ❌ 言語表示困難な児に言語訓練中心は不適。
- ❌ 他児交流による社会性養成は基盤整備の後。
午前 問16(実地・正答 3)
知的発達に遅れがないのに読み書き(音読・書字)に特異的な困難=限局性学習症(読字・書字障害、ディスレクシア)。
- ❌ 素行症は反社会的行動が主。
- ❌ 反抗挑発症は反抗的・挑戦的行動が主。
- ⭕ 知的遅れなく読み書きに限局した困難=限局性学習症。
- ❌ 脱抑制型対人交流症は愛着障害(無差別な馴れ馴れしさ)。
- ❌ 反応性アタッチメント症は愛着形成不全(引きこもり的)。
午前 問35(一般・正答 5)
ASD児はこだわり・常同性が強く、いつもと違う道でパニックになる(同一性保持)。ADHDとの鑑別点。
- ❌ 他児とよく遊ぶのはASDの特徴ではない(対人相互性の障害)。
- ❌ 物をよくなくすのはADHDの不注意症状。
- ❌ 待てないのはADHDの衝動性。
- ❌ すぐ他のことを始めるのはADHDの不注意・多動。
- ⭕ いつもと違う道でパニックになるのはASDの同一性保持(こだわり)。
午前 問85(共通・正答 4)
遠城寺式発達検査で最も早く獲得するのは人見知り(生後6-7か月頃)。走る(2歳)、2語文(2歳)、排尿予告(1歳半-2歳)、積み木2つ(1歳-1歳半)より早い。
- ❌ 走るのは約2歳。
- ❌ 2語言えるのは約1歳。
- ❌ 排尿予告は約1歳半〜2歳。
- ⭕ 人見知りは生後6-7か月頃で最も早く獲得する。
- ❌ 積み木を2つ重ねるのは約1歳〜1歳半。
午後 問5(実地・正答 3)
脳性麻痺児のADL(身辺動作)評価にはPEDI(子どものための機能的自立度評価法)が適切。
- ❌ MASは痙縮の評価(Modified Ashworth Scale)。
- ❌ MACSは手指操作能力分類でADL全般の評価ではない。
- ⭕ PEDIは小児のADL・機能的自立を包括的に評価する。
- ❌ GMFCSは粗大運動能力の重症度分類でADL評価ではない。
- ❌ SCSITは感覚統合検査。
午後 問18(実地・正答 3)
多動・不注意・衝動性(ADHD)の男児。適切な行動ができたら賞賛する(正の強化)ことで望ましい行動を増やすのが有効。
- ❌ 言語的介入中心よりも、具体的・視覚的な手がかりと行動強化が有効。
- ❌ 集団活動から排除せず、適切な支援下で参加を促す。
- ⭕ 適切な行動を賞賛し正の強化で望ましい行動を増やす。
- ❌ 保護者の関わりはむしろ重要(ペアレントトレーニング等)。
- ❌ 作業手順は一度にまとめず、短く区切って提示する。
午後 問43(一般・正答 2)
新版K式発達検査は適用年齢が0歳(生後100日頃)から成人までと幅広く、乳児から成人までを対象とできる。
- ❌ WISC-Ⅴは5歳~16歳11か月(児童)が対象。
- ⭕ 新版K式発達検査は0歳(生後約100日)から成人まで適用できる。
- ❌ 田中・ビネー知能検査は2歳~成人が対象(0歳は含まない)。
- ❌ ASQは1か月~66か月の乳幼児スクリーニング。
- ❌ デンバー式は0~6歳の発達スクリーニング(成人は含まない)。
午後 問46(一般・正答 3)
自閉スペクトラム症では、感覚統合療法(感覚処理の問題への介入)が用いられる治療法の一つ。
- ❌ 回想法は認知症へのアプローチ。
- ❌ 内観療法は自己洞察を深める精神療法。
- ⭕ 感覚統合療法はASDの感覚処理・適応行動の改善に用いられる。
- ❌ 曝露反応妨害法は強迫症の治療。
- ❌ 電気けいれん療法は重症うつ病等の治療。
午後 問91(共通・正答 5)
アテトーゼ型脳性麻痺は錐体外路(大脳基底核)障害で、不随意運動(アテトーゼ)が特徴的。痙直型は錐体路障害で痙縮が主。
- ❌ 視覚障害は両型でみられ、アテトーゼ型に特異的ではない。
- ❌ 知的障害はむしろ痙直型で合併しやすい。
- ❌ てんかんは痙直型で合併が多い。
- ❌ 歩行障害は両型でみられる。
- ⭕ 不随意運動(アテトーゼ)はアテトーゼ型に特徴的。
午後 問98(共通・正答 4)
自閉スペクトラム症は、予定変更など環境の変化への適応困難(こだわり・柔軟性の欠如)が特徴。突然の予定変更で感情が乱れる発言がこれを強く示唆。
- ❌ 発作が心配で移動できないのはパニック症・広場恐怖。
- ❌ 何度も確認するのは強迫症。
- ❌ 現実感がないのは離人・現実感消失症。
- ⭕ 予定変更に対応できず感情が乱れるのはASDの柔軟性欠如・こだわりを示唆。
- ❌ 人前で緊張して話せないのは社交不安症。
出典:「第60回理学療法士国家試験、第60回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(厚生労働省ホームページ)を加工して作成
※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。