神経筋疾患|第61回 作業療法士国家試験(9問)

第61回作業療法士国家試験の神経筋疾患分野(全9問)。問題文は著作権に配慮して掲載せず、正答とNetwork-Primer独自解説(正答理由・各選択肢の○×)を掲載しています。問題文は第61回 OT 全問ページおよび厚生労働省の公式PDFでご確認ください。

概要

項目数値
出題数9問
実地問題2問(6点)
一般・共通問題7問(7点)
推定配点13点

正答一覧

#時間帯区分正答
問37午前一般1
問83午前共通3,4
問84午前共通2
問91午前共通2,5
問97午前共通4
問10午後実地4
問11午後実地5
問27午後一般4
問90午後共通3

解説

午前 問37(一般・正答 1)

多発性硬化症は女性に多い(男女比約1:2-3)。若年成人に好発する脱髄疾患。

  1. ⭕ 多発性硬化症は女性に多い。
  2. ❌ 高体温(体温上昇)で症状が悪化する(Uhthoff現象)。
  3. ❌ 高緯度地域で有病率が高い(低緯度は少ない)。
  4. ❌ Phalenテストは手根管症候群の検査でMSとは無関係。
  5. ❌ MSは自己免疫性で免疫不全とは異なる。

午前 問83(共通・正答 3,4)

多発性硬化症のリハでは、運動失調に対する重錘負荷(四肢の安定化)と、視野欠損に対する環境整備(照明の工夫等)が正しい。温熱・高強度運動・体温上昇はUhthoff現象を招くため避ける。

  1. ❌ 痙縮に対する温熱療法は体温上昇でUhthoff現象(症状悪化)を招き不適。
  2. ❌ 1RMを反復する高強度筋力強化は易疲労性のMSでは過用を招き不適。
  3. ⭕ 運動失調に対し重錘を負荷して四肢を安定させる練習は有効。
  4. ⭕ 視野欠損に対し照明など環境整備を行うのは適切。
  5. ❌ 歩行障害に対し一律に早期から下肢装具を作製するのは画一的で、病状に応じて判断すべき。

午前 問84(共通・正答 2)

Parkinson病の治療薬はL-dopa(レボドパ)。ドパミン前駆物質で不足したドパミンを補充する。

  1. ❌ NSAIDsは消炎鎮痛薬。
  2. ⭕ L-dopaはPD治療の中心薬(ドパミン補充)。
  3. ❌ コリン作動薬はPDではむしろ症状を悪化させる(抗コリン薬が用いられる)。
  4. ❌ カルシウム拮抗薬は降圧薬。
  5. ❌ セフェム系抗菌薬は感染症治療薬。

午前 問91(共通・正答 2,5)

感覚障害を合併するのは多発性硬化症(中枢脱髄)と慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP、末梢脱髄で感覚障害あり)。

  1. ❌ 重症筋無力症は神経筋接合部の障害で感覚障害はない。
  2. ⭕ 多発性硬化症は感覚障害を合併する。
  3. ❌ 筋萎縮性側索硬化症は運動ニューロン疾患で感覚は保たれる。
  4. ❌ 肢帯型筋ジストロフィーは筋疾患で感覚障害はない。
  5. ⭕ CIDPは脱髄性で感覚障害を合併する。

午前 問97(共通・正答 4)

Wilson病は銅代謝異常で、銅が肝・脳・角膜(Kayser-Fleischer輪)等に蓄積する。

  1. ❌ 亜鉛はWilson病の治療薬(銅吸収抑制)だが蓄積物質ではない。
  2. ❌ コバルトは関与しない。
  3. ❌ 鉄の蓄積はヘモクロマトーシス。
  4. ⭕ Wilson病は銅の代謝異常で銅が蓄積する。
  5. ❌ マンガンは関与しない。

午後 問10(実地・正答 4)

すくみ足・姿勢反射障害があり後方転倒歴のあるParkinson病患者では、転倒予防が最優先である。選択肢4の図が示す整備(手すりの設置など、立ち座り・移動時の支持と転倒予防に直結する整備)が最優先となる。

  1. ❌ 転倒予防への寄与が小さく、最優先とはいえない整備。
  2. ❌ 本症例の最大リスクである転倒予防に直結しない整備。
  3. ❌ 優先度はあるが、後方転倒歴のある本症例では手すり等の転倒対策が先。
  4. ⭕ 立ち座り・移動時の支持と転倒予防に直結し、最優先すべき住環境整備。
  5. ❌ あれば有用だが、転倒予防の緊急性に比べ優先度は低い。

午後 問11(実地・正答 5)

Parkinson病の運動機能維持には、大きくリズミカルな全身運動や体幹回旋・上肢の広い可動域を促す活動が有効である。選択肢5の図が示す活動が、これらの要素を最もよく引き出す。

  1. ❌ 動作範囲が狭く、Parkinson病の無動・寡動の改善に乏しい活動。
  2. ❌ リズムや大きな動きの要素が乏しい活動。
  3. ❌ 座位中心で可動域や体幹の動きを引き出しにくい活動。
  4. ❌ 運動機能維持に必要な大きな動き・リズムの要素が不十分。
  5. ⭕ 大きくリズミカルな動きと広い可動域を促し、運動機能維持に適した活動。

午後 問27(一般・正答 4)

Guillain-Barré症候群は運動神経優位だが感覚神経も障害される(運動・感覚の末梢神経障害)。

  1. ❌ 球麻痺(嚥下・構音障害)を生じることがある。
  2. ❌ 先行感染は細菌(Campylobacter)・ウイルスで、原虫ではない。
  3. ❌ 髄液は蛋白細胞解離(蛋白増加・細胞正常)で蛋白は増加する。
  4. ⭕ 運動神経と感覚神経の障害(脱髄性多発神経炎)である。
  5. ❌ 脱髄により神経伝導速度は低下する(正常ではない)。

午後 問90(共通・正答 3)

ALSは下位運動ニューロン障害を反映する針筋電図(脱神経所見・線維束性収縮)が診断に最も有用。

  1. ❌ SPECTは脳血流評価でALS診断には不適。
  2. ❌ 頭部CTは他疾患の除外に用いるが確定診断にはならない。
  3. ⭕ 針筋電図は下位運動ニューロン障害(脱神経・再神経支配)を検出し診断に有用。
  4. ❌ 頸部超音波はALS診断の主検査ではない。
  5. ❌ 体性感覚誘発電位は感覚路の評価でALS(運動系)には不適。

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出典:「第60回理学療法士国家試験、第60回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(厚生労働省ホームページ)を加工して作成

※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。

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