運動学|第61回 作業療法士国家試験(11問)

第61回作業療法士国家試験の運動学分野(全11問)。問題文は著作権に配慮して掲載せず、正答とNetwork-Primer独自解説(正答理由・各選択肢の○×)を掲載しています。問題文は第61回 OT 全問ページおよび厚生労働省の公式PDFでご確認ください。

概要

項目数値
出題数11問
実地問題2問(6点)
一般・共通問題9問(9点)
推定配点15点

正答一覧

#時間帯区分正答
問1午前実地2
問28午前一般4
問70午前共通1,2
問72午前共通4
問73午前共通1,2
問1午後実地2,4
問70午後共通5
問71午後共通3
問72午後共通3
問73午後共通1,4
問74午後共通5

解説

午前 問1(実地・正答 2)

MMTの段階5・4は、検査肢位で最終域近くに保持させ、運動方向と反対に抵抗を加えて判定する。選択肢2の図が、正しい検査肢位・抵抗方向(矢印)を示している。

  1. ❌ 抵抗を加える方向、または検査肢位が段階5・4の基準と異なる。
  2. ⭕ 正しい検査肢位で、運動方向と反対(適切な方向)に抵抗を加えている。
  3. ❌ 抵抗方向が運動方向と一致しておらず誤り。
  4. ❌ 検査肢位または固定・抵抗の位置が不適切。
  5. ❌ 抵抗を加える部位・方向が基準と異なる。

午前 問28(一般・正答 4)

足関節背屈の測定では、腓腹筋(二関節筋)の影響を除くため膝関節を屈曲位にして行う。膝伸展位では腓腹筋の緊張で背屈が制限される。

  1. ❌ 角度は原則5度刻みで記載する(1度刻みではない)。
  2. ❌ 股関節伸展は腹臥位で行う(仰臥位ではない)。
  3. ❌ ROM測定は原則他動運動で行う(自動運動ではない)。
  4. ⭕ 足関節(背屈)は腓腹筋の影響を除くため膝関節屈曲位で測定する。
  5. ❌ 手指PIP関節の基本軸は近位指節骨(基節骨)である(中節骨は移動軸)。

午前 問70(共通・正答 1,2)

運動軸が1つ(1自由度)の蝶番関節は、腕尺関節(肘屈伸)と母指IP関節(屈伸)。

  1. ⭕ 腕尺関節は蝶番関節で運動軸1つ(屈伸のみ)。
  2. ⭕ 母指IP関節は蝶番関節で運動軸1つ。
  3. ❌ 示指MP関節は顆状関節で2軸(屈伸・内外転)。
  4. ❌ 肩甲上腕関節は球関節で3軸。
  5. ❌ 橈骨手根関節は楕円関節で2軸。

午前 問72(共通・正答 4)

体幹の回旋では、同側の内腹斜筋と対側の外腹斜筋が協働する。図の回旋方向に対応する主動筋として右内腹斜筋が正しい。

  1. ❌ 右多裂筋は同側伸展・対側回旋に働くが、主たる回旋筋ではない。
  2. ❌ 左腰方形筋は側屈が主。
  3. ❌ 右外腹斜筋は左回旋に働き、図の運動方向と逆。
  4. ⭕ 右内腹斜筋は同側(右)回旋に働き、図の運動に一致する主動筋。
  5. ❌ 左脊柱起立筋は同側側屈・伸展が主。

午前 問73(共通・正答 1,2)

歩行の荷重応答期(踵接地後)で遠心性収縮するのは前脛骨筋(足底接地を緩やかにする)と長指伸筋(協働)。

  1. ⭕ 長指伸筋は荷重応答期に遠心性収縮する。
  2. ⭕ 前脛骨筋は荷重応答期に遠心性収縮し、foot slapを防ぐ。
  3. ❌ 短腓骨筋は立脚中期以降に働く。
  4. ❌ ヒラメ筋は立脚中期〜後期に働く。
  5. ❌ 長母指屈筋は立脚後期の蹴り出しに働く。

午後 問1(実地・正答 2,4)

日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会基準(1995年)に照らし、基本軸・移動軸・測定肢位が正しく設定されている図が正答となる。選択肢2と4が基準どおりの正しい測定法を示している。

  1. ❌ 基本軸または移動軸の設定、あるいは測定肢位が基準と異なる。
  2. ⭕ 基本軸・移動軸・肢位が基準どおりに設定された正しい測定法。
  3. ❌ 代償運動を許す肢位、または軸の取り方が誤っている。
  4. ⭕ 基準に従った正しい測定法(軸・肢位が適切)。
  5. ❌ 基本軸/移動軸の設定が基準と異なる。

午後 問70(共通・正答 5)

前鋸筋(下部)と僧帽筋上部線維はともに肩甲骨の上方回旋に働く(force couple)。上肢挙上時に協働する。

  1. ❌ 下制は僧帽筋下部・小胸筋等。
  2. ❌ 挙上は僧帽筋上部・肩甲挙筋(前鋸筋は主作用でない)。
  3. ❌ 内転は僧帽筋中部・菱形筋。
  4. ❌ 下方回旋は菱形筋・小胸筋・肩甲挙筋。
  5. ⭕ 前鋸筋と僧帽筋上部線維はともに上方回旋に働く(共通作用)。

午後 問71(共通・正答 3)

支持基底面は接地している両足底とその間に囲まれた面積を含む。

  1. ❌ 幼児の重心は成人より高く、第12胸椎付近など高位。「仙骨のやや前方」は成人の重心(第2仙椎前方)。
  2. ❌ 安静立位の重心線は大転子・肩峰等を通り、上前腸骨棘は通らない。
  3. ⭕ 支持基底面は足底とその間を含む面である。
  4. ❌ Romberg肢位(閉脚)は開脚立位より支持基底面が狭く不安定。
  5. ❌ 安静立位でも身体重心は常に前後左右に動揺している(姿勢動揺)。

午後 問72(共通・正答 3)

長腓骨筋は足部の外がえし(外反)と底屈に働く。腓骨神経(浅腓骨神経)支配で、外側縦アーチと横アーチの保持にも関与する。

  1. ❌ 後脛骨筋は内がえし(内反)に働く。
  2. ❌ 長指屈筋は足趾屈曲・内がえし補助。
  3. ⭕ 長腓骨筋は足部の外がえし(外反)に働く。
  4. ❌ 長母指屈筋は母趾屈曲。
  5. ❌ ヒラメ筋は足底屈の主動作筋。

午後 問73(共通・正答 1,4)

遠心性収縮(筋が伸張されながら張力発揮)は、頭上の手を下ろすとき(三角筋前部が伸びながら制御)と、椅子に座るとき(大腿四頭筋が伸びながら制御)。

  1. ⭕ 頭上の手を下ろすとき、三角筋前部は遠心性収縮で制御する。
  2. ❌ 懸垂で体を上げるときの上腕二頭筋は求心性収縮(短縮)。
  3. ❌ 腕立てで肘を伸ばすときの上腕三頭筋は求心性収縮。
  4. ⭕ 椅子に座るとき大腿四頭筋は遠心性収縮でブレーキをかける。
  5. ❌ つま先立ちのヒラメ筋は求心性収縮(短縮して底屈)。

午後 問74(共通・正答 5)

遊脚後期(terminal swing)では、遊脚側下肢が振り出された後、接地に備えてハムストリングス等が働き動きが減速する。

  1. ❌ 高齢者では歩幅減少・歩行率変化で歩行比(歩幅/歩行率)はむしろ小さくなる傾向。
  2. ❌ 歩行周期中、膝関節は2回屈曲する(立脚期の軽度屈曲と遊脚期の大きな屈曲)。
  3. ❌ 股関節伸展が最大になるのは立脚終期(爪先離地の直前)。
  4. ❌ 荷重応答期では体重心は足部の直上ではなく後方寄り。立脚中期に足部直上。
  5. ⭕ 遊脚後期に遊脚側下肢の動きが減速する(接地の準備)。

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出典:「第60回理学療法士国家試験、第60回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(厚生労働省ホームページ)を加工して作成

※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。

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