内部障害|第61回 作業療法士国家試験(11問)
第61回作業療法士国家試験の内部障害分野(全11問)。問題文は著作権に配慮して掲載せず、正答とNetwork-Primer独自解説(正答理由・各選択肢の○×)を掲載しています。問題文は第61回 OT 全問ページおよび厚生労働省の公式PDFでご確認ください。
概要
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 出題数 | 11問 |
| 実地問題 | 1問(3点) |
| 一般・共通問題 | 10問(10点) |
| 推定配点 | 13点 |
正答一覧
| # | 時間帯 | 区分 | 正答 |
|---|---|---|---|
| 問27 | 午前 | 一般 | 1 |
| 問88 | 午前 | 共通 | 1 |
| 問92 | 午前 | 共通 | 1 |
| 問94 | 午前 | 共通 | 5 |
| 問6 | 午後 | 実地 | 5 |
| 問29 | 午後 | 一般 | 1 |
| 問31 | 午後 | 一般 | 2 |
| 問33 | 午後 | 一般 | 2 |
| 問39 | 午後 | 一般 | 1 |
| 問86 | 午後 | 共通 | 5 |
| 問92 | 午後 | 共通 | 2 |
解説
午前 問27(一般・正答 1)
長期臥床後の離床開始時は深部静脈血栓症→肺塞栓のリスクがある。Dダイマー(血栓形成の指標)の上昇に注意する。
- ⭕ Dダイマーは血栓形成を反映し、離床時の肺塞栓リスク評価に重要。
- ❌ 血糖値は離床時の直接的な注意点ではない。
- ❌ 白血球数は感染の指標で離床の第一注意点ではない。
- ❌ アルブミンは栄養指標。
- ❌ クレアチニンは腎機能指標。
午前 問88(共通・正答 1)
一次救命処置(BLS)で最初に確認するのは意識(反応)の有無。反応がなければ応援要請→呼吸確認→胸骨圧迫と進む。
- ⭕ まず意識(反応)を確認する。
- ❌ 血圧測定はBLSの最初の手順ではない。
- ❌ 呼吸確認は意識確認・応援要請の後。
- ❌ 脈拍確認は呼吸確認と同時(医療者)だが最初ではない。
- ❌ 対光反射はBLSの手順ではない。
午前 問92(共通・正答 1)
慢性腎臓病では糸球体の障害により蛋白が尿中に漏出し、蛋白尿がみられる。これは腎障害を示す代表的な所見で、eGFR低下とともに診断・重症度分類の指標となる。
- ⭕ 蛋白尿は慢性腎臓病の代表的所見。
- ❌ 慢性腎臓病では高血圧を来す(低血圧ではない)。
- ❌ 代謝性アシドーシスを来す(アルカローシスではない)。
- ❌ 低カルシウム血症を来す(活性型VD低下)。
- ❌ エリスロポエチン産生は低下する(腎性貧血)。
午前 問94(共通・正答 5)
緩和期のがんリハでは、患者の全身状態・意思に合わせて柔軟にプログラムを変更する。QOL維持が最優先。
- ❌ 疲労骨折ではなく、骨転移による病的骨折に注意する。
- ❌ 疼痛への温熱療法は状況により用いる(一律禁忌ではない)が、骨転移部への温熱は注意。「禁忌」と断定は不適。
- ❌ 緩和期はQOLを優先し、機能回復を最優先にはしない。
- ❌ 治療前ADLへの完全回復を目標にするのは緩和期には非現実的。
- ⭕ 患者の意思・全身状態に合わせてプログラムを柔軟に変更する。
午後 問6(実地・正答 5)
抗がん剤治療中で倦怠感・筋力低下がある。復職を見据えつつ、活動と休息のバランスを考慮したプログラムで無理なく体力・生活機能を維持するのが初期対応として適切。
- ❌ 高負荷の持久力訓練は倦怠感のある化学療法中には不適。
- ❌ 食事摂取量を半分に減らす助言は栄養状態悪化を招き不適。
- ❌ 人工肛門の自己管理指導もOTが関与でき、看護師任せは不適。
- ❌ 早期の現地評価はまだ時期尚早(体力回復・自己管理確立が先)。
- ⭕ 活動と休息のバランスを考慮したプログラムが初期対応に適切。
午後 問29(一般・正答 1)
低血糖の自律神経症状(交感神経刺激症状)は動悸・発汗・振戦・頻脈等。動悸が該当。
- ⭕ 動悸は低血糖時の交感神経(自律神経)症状。
- ❌ けいれんは中枢神経症状(重度低血糖)。
- ❌ 意識障害は中枢神経症状。
- ❌ 異常行動は中枢神経症状。
- ❌ 集中力減退は中枢神経症状。
午後 問31(一般・正答 2)
ビタミンB1(チアミン)欠乏はWernicke脳症・Korsakoff症候群など中枢神経障害を引き起こす。
- ❌ ビタミンA欠乏は夜盲・眼球乾燥。
- ⭕ ビタミンB1欠乏はWernicke脳症等の中枢神経障害を来す。
- ❌ ビタミンC欠乏は壊血病。
- ❌ ビタミンD欠乏はくる病・骨軟化症。
- ❌ ビタミンK欠乏は出血傾向。
午後 問33(一般・正答 2)
リンパ浮腫では、患肢に過度の負担(重い物を持つ等)をかけると悪化するため、重い物を持つ動作を制限する。
- ❌ 運動療法は圧迫下で行うと有効で禁忌ではない。
- ⭕ 重い物を持つ動作は患肢の負担となり制限する。
- ❌ 圧迫療法は複合的治療の柱で、発症初期から行う。
- ❌ 締め付けの強い下着はリンパ還流を妨げ悪化させる。
- ❌ 保湿(スキンケア)は感染予防に重要で、避けるのは誤り。
午後 問39(一般・正答 1)
ナイアシン(ニコチン酸/ビタミンB3)欠乏はペラグラ(皮膚炎・下痢・認知症の3D)を引き起こす。
- ⭕ ナイアシン欠乏はペラグラを引き起こす。
- ❌ 橋本脳症は自己免疫性(甲状腺関連)。
- ❌ Cushing症候群はコルチゾール過剰。
- ❌ Creutzfeldt-Jakob病はプリオン病。
- ❌ 抗NMDA受容体抗体脳炎は自己免疫性脳炎。
午後 問86(共通・正答 5)
納豆はビタミンK(納豆菌が産生)を多く含み、ビタミンK拮抗薬であるワルファリンの抗凝固作用を減弱させる。
- ❌ ACE阻害薬は納豆の影響を受けない。
- ❌ インスリンは納豆の影響を受けない。
- ❌ カルシウム拮抗薬はグレープフルーツで作用増強するが納豆は無関係。
- ❌ ループ利尿薬は納豆の影響を受けない。
- ⭕ 納豆のビタミンKがワルファリンの作用を減弱させる。
午後 問92(共通・正答 2)
糖尿病の三大合併症は網膜症・腎症・神経障害。眼底・尿蛋白・足部感覚・アキレス腱反射は必須検査。聴力は優先度が低い。
- ❌ 眼底検査は網膜症の評価で優先度が高い。
- ⭕ 聴力は糖尿病合併症の主要検査ではなく優先度が低い。
- ❌ 尿蛋白は腎症の評価で重要。
- ❌ 足部感覚は神経障害・足病変の評価で重要。
- ❌ アキレス腱反射は末梢神経障害の評価で重要。
出典:「第60回理学療法士国家試験、第60回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(厚生労働省ホームページ)を加工して作成
※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。