作業療法学|第61回 作業療法士国家試験(8問)

第61回作業療法士国家試験の作業療法学分野(全8問)。問題文は著作権に配慮して掲載せず、正答とNetwork-Primer独自解説(正答理由・各選択肢の○×)を掲載しています。問題文は第61回 OT 全問ページおよび厚生労働省の公式PDFでご確認ください。

概要

項目数値
出題数8問
実地問題2問(6点)
一般・共通問題6問(6点)
推定配点12点

正答一覧

#時間帯区分正答
問10午前実地2
問22午前一般3
問24午前一般3,5
問29午前一般3
問31午前一般5
問12午後実地3
問28午後一般5
問30午後一般1

解説

午前 問10(実地・正答 2)

「退屈・早く帰りたい」としか答えない場面で、次に行うべきは生活行為への関心把握(興味関心チェックシート等)。本人の意欲や大切にしたい作業を引き出すことが目標設定につながる。

  1. ❌ 痛みの訴えはなく、痛み確認は優先度が低い。
  2. ⭕ 生活行為への関心を把握し、本人の意欲・目標を引き出すのが適切。
  3. ❌ 他職種同席の面接は現段階で必須ではない。
  4. ❌ BRS手指Ⅴで会話も成立しており言語機能の問題は考えにくい。
  5. ❌ アンケートより面接で関心を掘り下げるのが適切。

午前 問22(一般・正答 3)

再建療法(reconstruction therapy)を提唱したのはGeorge Barton等であり、Adolf Meyerは作業療法の哲学的基盤(心理生物学・作業の治療的意義)を築いた人物。「Meyerが再建療法を確立」は誤り。

  1. ❌ (正しい):Jean Ayresは感覚統合療法を考案した。
  2. ❌ (正しい):Philippe Pinelは道徳療法(人道的処遇)を始めた。
  3. ⭕ (誤り):Adolf Meyerは作業療法の哲学的基盤を築いたが、再建療法の確立者ではない。
  4. ❌ (正しい):高木憲次は肢体不自由児の療育を確立した。
  5. ❌ (正しい):呉秀三は精神科医療の改善(開放化・処遇改善)に尽力した。

午前 問24(一般・正答 3,5)

革細工で使用する道具はモデラ(革に模様を付ける)とスーベルカッター(革を彫る)。

  1. ❌ 切弓は木工・籐細工等で用いる。
  2. ❌ 整経台は織物(機織り)の道具。
  3. ⭕ モデラは革細工でスタンピング・模様付けに用いる。
  4. ❌ たたら板は陶芸(粘土を板状にする)の道具。
  5. ⭕ スーベルカッターは革細工で線彫り(カービング)に用いる。

午前 問29(一般・正答 3)

作業療法の目標設定は患者の価値観・希望を反映させ、クライアント中心で行う。

  1. ❌ 目標は具体的(測定可能)に設定する(抽象的は不適)。
  2. ❌ 状態変化に応じて目標は適宜見直す。
  3. ⭕ 患者の価値観・希望を反映させる(クライアント中心)。
  4. ❌ 標準的病期対応に画一的に合わせるのではなく個別性を重視。
  5. ❌ 復職は機能改善を待たず、環境調整も含め段階的に設定できる。

午前 問31(一般・正答 5)

MTDLP(生活行為向上マネジメント)の社会適応プログラムは、環境因子(人的・物的環境、社会資源)へのアプローチで構成される。

  1. ❌ MTDLPは機能訓練ではなく生活行為の向上が目的。
  2. ❌ 活動性が低い人も対象に含む。
  3. ❌ 導入前に認知機能検査が必須ではない。
  4. ❌ 訪問リハビリテーションでも活用できる。
  5. ⭕ 社会適応プログラムは環境因子へのアプローチで構成する。

午後 問12(実地・正答 3)

SOAP記録で、A(Assessment)には評価・目標設定が入る。「短期目標設定は〜」はA(アセスメント/計画的判断)として正しい組合せ。

  1. ❌ 血圧の測定値は客観的情報でO(Objective)に記載する(Sではない)。
  2. ❌ 訓練の実施予定はP(Plan)に記載する(Oではない)。
  3. ⭕ 短期目標の設定はA(Assessment)として妥当。
  4. ❌ BRSの評価結果は客観的情報でO(Objective)に記載する(Pではない)。
  5. ❌ 患者の発言はS(Subjective)に記載する(Pではない)。

午後 問28(一般・正答 5)

作業療法プログラムは、対象者が成功体験を得られやすいように難易度を調整して設定するのが適切(自己効力感を高める)。

  1. ❌ 訓練内容を毎回変更すると学習・般化が進まない。
  2. ❌ 環境調整は入院中から計画的に進める(退院後では遅い)。
  3. ❌ IADL向上には機能訓練偏重でなく実際の生活行為訓練を組み合わせる。
  4. ❌ 個人の経験のみでなくエビデンス・評価に基づき決定する。
  5. ⭕ 成功体験を得られやすいように課題の難易度を設定する。

午後 問30(一般・正答 1)

OSCE(客観的臨床能力試験)は、模擬患者等を用いて臨床技能の到達度を客観的に評価する試験。

  1. ⭕ OSCEは臨床技能の到達度を評価する。
  2. ❌ 知識量でなく技能・態度を評価する。
  3. ❌ 筆記試験の代替ではなく、技能評価として併用される。
  4. ❌ 実施結果は評価・フィードバックのため提示される。
  5. ❌ 実施内容(課題)は状況として模擬患者に事前説明される(役割設定)。

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出典:「第60回理学療法士国家試験、第60回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(厚生労働省ホームページ)を加工して作成

※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。

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