整形外科|第61回 作業療法士国家試験(9問)
第61回作業療法士国家試験の整形外科分野(全9問)。問題文は著作権に配慮して掲載せず、正答とNetwork-Primer独自解説(正答理由・各選択肢の○×)を掲載しています。問題文は第61回 OT 全問ページおよび厚生労働省の公式PDFでご確認ください。
概要
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 出題数 | 9問 |
| 実地問題 | 2問(6点) |
| 一般・共通問題 | 7問(7点) |
| 推定配点 | 13点 |
正答一覧
| # | 時間帯 | 区分 | 正答 |
|---|---|---|---|
| 問32 | 午前 | 一般 | 3 |
| 問34 | 午前 | 一般 | 5 |
| 問38 | 午前 | 一般 | 1 |
| 問74 | 午前 | 共通 | 1 |
| 問89 | 午前 | 共通 | 2 |
| 問7 | 午後 | 実地 | 2 |
| 問9 | 午後 | 実地 | 4 |
| 問88 | 午後 | 共通 | 3 |
| 問89 | 午後 | 共通 | 2 |
解説
午前 問32(一般・正答 3)
骨盤骨折は後腹膜腔の大血管損傷を伴いやすく、大量出血→出血性ショックのリスクが最も高い。
- ❌ 橈骨遠位端骨折の出血量は少ない。
- ❌ 腰椎圧迫骨折の出血リスクは低い。
- ⭕ 骨盤骨折は後腹膜出血で大量出血→出血性ショックのリスクが高い。
- ❌ 大腿骨頸部骨折も出血するが骨盤骨折ほどではない。
- ❌ 足関節骨折の出血量は少ない。
午前 問34(一般・正答 5)
慢性腰痛では、重い荷物を体に近づけて持ち上げることで腰椎への負担(モーメント)を減らす。
- ❌ 安静臥床は慢性腰痛ではむしろ推奨されず、適度な活動が有効。
- ❌ 踵の高い靴は腰椎前弯を強め腰痛を悪化させる。
- ❌ 中腰での持続作業は腰部負担が大きい。
- ❌ あぐら座位は骨盤後傾で腰椎に負担。適切な座位姿勢が重要。
- ⭕ 荷物を体に近づけて持つとモーメントが減り腰部負担が軽減する。
午前 問38(一般・正答 1)
関節リウマチは滑膜炎が病態の中心で、滑膜細胞が増殖しパンヌスを形成して関節を破壊する。
- ⭕ RAでは滑膜細胞が増殖(パンヌス形成)し関節を破壊する。
- ❌ 渦流浴(温熱)は禁忌ではなく、非活動期には有用。
- ❌ 朝はこわばりが強いため、家事は午後が適する(午前は不適)。
- ❌ RAは手指の小関節(MCP・PIP)に初発することが多い(大関節初発は非典型)。
- ❌ 疼痛・変形に対して装具(スプリント)を使用する。
午前 問74(共通・正答 1)
内側半月板は内側側副靱帯(MCL)と結合しており、MCL損傷時に内側半月も損傷しやすい(unhappy triad)。
- ⭕ 内側半月板は内側側副靱帯と結合している。
- ❌ 屈曲初期は転がり運動、屈曲が進むと滑り運動が増える(転がりが増えるは誤り)。
- ❌ 大腿筋膜張筋は膝伸展位で膝伸展、屈曲位では屈曲を補助(腸脛靱帯経由)。「膝屈曲位で膝伸展」は不正確。
- ❌ 内側側副靱帯は幅広く強靱で、外側側副靱帯より太い(細いは誤り)。
- ❌ 膝内旋に働くのは半腱様筋・半膜様筋等(大腿二頭筋は外旋筋)。
午前 問89(共通・正答 2)
Kienböck病(月状骨軟化症)は成人男性(20-40歳の手をよく使う労働者)に好発する。
- ❌ Freiberg病(第2中足骨頭壊死)は若年女性に多い。
- ⭕ Kienböck病は成人男性に好発する月状骨壊死。
- ❌ Osgood-Schlatter病は成長期のスポーツ少年(10代)に多い。
- ❌ Perthes病(大腿骨頭壊死)は小児(4-8歳男児)に多い。
- ❌ Sever病(踵骨骨端症)は成長期の小児に多い。
午後 問7(実地・正答 2)
後方進入法による人工骨頭置換術後は、脱臼肢位である股関節の過屈曲・内転・内旋を避けるADL動作を指導する。選択肢2の図が、これら禁忌肢位を回避した正しい動作方法を示している。
- ❌ 股関節の過屈曲や内転・内旋を伴い、後方脱臼の危険がある動作。
- ⭕ 股関節の過屈曲・内転・内旋を避けた、脱臼肢位をとらない正しい動作。
- ❌ 深くしゃがむ・脚を組むなど脱臼肢位をとる危険な動作。
- ❌ 患側を内旋・内転させる動作で後方脱臼のリスクがある。
- ❌ 股関節90度を超える過屈曲を伴う動作で脱臼の危険がある。
午後 問9(実地・正答 4)
変形性膝関節症(X線で関節裂隙狭小化)。関節への荷重負担が少なく運動できる水中歩行が推奨される。
- ❌ 安静は筋力低下・廃用を招き推奨されない。
- ❌ 正座は膝関節を深屈曲し負担が大きく不適。
- ❌ 階段昇降は膝への荷重負担が大きい。
- ⭕ 水中歩行は浮力で膝への荷重を減らしつつ運動でき推奨される。
- ❌ ジョギングは膝への衝撃が大きく不適。
午後 問88(共通・正答 3)
アキレス腱断裂ではThompsonテスト(腓腹筋を握っても足が底屈しない)が陽性となる。
- ❌ 断裂するとつま先立ち(片脚)は困難になる。
- ❌ 中年のスポーツ愛好者に多い(学童期ではない)。
- ⭕ Thompsonテスト陽性(下腿三頭筋把持で底屈が起こらない)。
- ❌ 足関節底屈位(尖足位)でギプス固定する(背屈位は断端を離開させ禁忌)。
- ❌ 陳旧例は腱の短縮・退縮のため端々縫合が困難で、腱移植・補強術が必要。
午後 問89(共通・正答 2)
手の舟状骨骨折は血行が遠位から近位への逆行性で乏しく、近位骨片が阻血性壊死・偽関節を生じやすい。
- ❌ 鎖骨遠位部は偽関節を生じることもあるが舟状骨ほど高頻度ではない。
- ⭕ 手の舟状骨は血行の特性から偽関節・阻血性壊死を生じやすい。
- ❌ 橈骨遠位端は血行が豊富で癒合しやすい。
- ❌ 中手骨骨幹部は癒合しやすい。
- ❌ 上腕骨骨幹部は偽関節もあるが舟状骨ほどではない。
出典:「第60回理学療法士国家試験、第60回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(厚生労働省ホームページ)を加工して作成
※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。