呼吸器|第61回 理学療法士国家試験(6問)
第61回理学療法士国家試験の呼吸器分野(全6問)。問題文は著作権に配慮して掲載せず、正答とNetwork-Primer独自解説(正答理由・各選択肢の○×)を掲載しています。問題文は第61回 PT 全問ページおよび厚生労働省の公式PDFでご確認ください。
概要
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 出題数 | 6問 |
| 実地問題 | 3問(9点) |
| 一般・共通問題 | 3問(3点) |
| 推定配点 | 12点 |
正答一覧
| # | 時間帯 | 区分 | 正答 |
|---|---|---|---|
| 問8 | 午前 | 実地 | 2 |
| 問23 | 午前 | 一般 | 2 |
| 問44 | 午前 | 一般 | 2,3 |
| 問45 | 午前 | 一般 | 5 |
| 問8 | 午後 | 実地 | 3 |
| 問9 | 午後 | 実地 | 1 |
解説
午前 問8(実地・正答 2)
mMRC Grade1は「平地を急ぎ足で歩く、または緩やかな上り坂を歩くときに息切れがある」。本症例(緩やかな上り坂や早歩きで息切れ)はGrade1に該当する。
- ❌ Grade0は激しい運動時のみ息切れ。
- ⭕ Grade1は平地の急ぎ足や緩やかな坂で息切れがある。本症例に合致。
- ❌ Grade2は同年代より平地歩行が遅い、息継ぎで立ち止まるレベルで、本症例より重い。
- ❌ Grade3は平地約100m〜数分で息切れ。
- ❌ Grade4は着替えでも息切れし外出困難。
午前 問23(一般・正答 2)
COPDでは上肢挙上を伴う動作で呼吸補助筋が使えず息切れが強い。洗髪は上肢を挙上・保持するため最も息切れが生じやすい。
- ❌ 食事は上肢挙上が少なく息切れは軽い。
- ⭕ 洗髪は両上肢を頭上に挙げ保持するため、呼吸補助筋が使えず息切れが最も強い。
- ❌ 排尿は軽負荷。
- ❌ 歯磨きは上肢挙上が軽度。
- ❌ ズボンの着脱は前かがみだが上肢挙上保持は少ない。
午前 問44(一般・正答 2,3)
COPDでは気流閉塞・エアトラッピングにより機能的残気量(FRC)と全肺気量(TLC)が増加する。
- ❌ 1秒量(FEV1)は気流閉塞により低下する。
- ⭕ 機能的残気量(FRC)はエアトラッピングで増加する。
- ⭕ 全肺気量(TLC)は肺の過膨張により増加する。
- ❌ ピークフロー(PEF)は低下する。
- ❌ 予備吸気量(IRV)は肺の過膨張により減少する。
午前 問45(一般・正答 5)
腹臥位では重力により肺の腹側(下側になる背側優位から変化)へ血流分布が変化し、換気血流比が改善する。背臥位に比べ腹側(前胸部側)への血流分布が増える。
- ❌ 腹臥位は上部胸式呼吸を特に促進しない。
- ❌ 排痰は体位ドレナージの原理で、腹臥位が特に左舌区の排痰を促すわけではない。
- ❌ 腹臥位で肺活量が座位より増加はしない。
- ❌ 換気分布は重力依存で、肺尖部に特に多く分布はしない。
- ⭕ 腹臥位では背臥位に比べ肺の腹側への血流分布が増え、換気血流不均衡が改善する。
午後 問8(実地・正答 3)
COPDの息切れ軽減には上肢挙上を避けることが重要。洗濯物を肩より低い位置に干すことで、上肢挙上に伴う呼吸補助筋の使用制限を避け、息切れを軽減する。
- ❌ 布団は立ち座り動作で息切れを増す。ベッドが望ましい。
- ❌ 階段は呼気時(口すぼめ呼吸の呼気)に昇段する。吸気時ではない。
- ⭕ 洗濯物を肩より低い位置に干すことで上肢挙上を避け、息切れを軽減できる。
- ❌ 前かがみ姿勢は横隔膜を圧迫し息切れを増強する。
- ❌ 低いシャワーチェアは立ち座りの負担が大きい。適切な高さの椅子が望ましく、「低い」が不適。
午後 問9(実地・正答 1)
開腹術後で高リスク(低栄養BMI17、%1秒量低下、Brinkman1000)。呼吸器合併症(無気肺・肺炎)予防に、口すぼめ呼吸で気道虚脱を防ぎ換気を改善する指導が適切。
- ⭕ 口すぼめ呼吸は呼気時の気道虚脱を防ぎ、換気を改善し無気肺を予防する。
- ❌ 頭側10度では不十分。無気肺予防には座位〜ファウラー位(30度以上)が望ましい。
- ❌ 満腹時の運動は横隔膜を圧迫し誤嚥・不快を招くため不適。
- ❌ 創痛を理由に咳嗽を控えると喀痰貯留で無気肺・肺炎を来す。創部を保護して排痰を促す。
- ❌ 術後は早期離床が原則で、1週間ベッド上安静は廃用と合併症を招く。
出典:「第60回理学療法士国家試験、第60回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(厚生労働省ホームページ)を加工して作成
※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。