生理学|第61回 作業療法士国家試験(23問)

第61回作業療法士国家試験の生理学分野(全23問)。問題文は著作権に配慮して掲載せず、正答とNetwork-Primer独自解説(正答理由・各選択肢の○×)を掲載しています。問題文は第61回 OT 全問ページおよび厚生労働省の公式PDFでご確認ください。

概要

項目数値
出題数23問
実地問題0問(0点)
一般・共通問題23問(23点)
推定配点23点

正答一覧

#時間帯区分正答
問61午前共通3
問62午前共通2
問63午前共通2
問64午前共通5
問65午前共通3
問66午前共通4,5
問67午前共通1,4
問68午前共通5
問69午前共通1
問99午前共通1
問58午後共通2
問59午後共通4
問61午後共通2
問62午後共通3,5
問63午後共通5
問64午後共通5
問65午後共通4
問66午後共通3
問67午後共通1,2
問69午後共通3
問78午後共通1
問83午後共通3,4
問85午後共通3

解説

午前 問61(共通・正答 3)

骨格筋の筋線維内では、筋原線維が筋節(サルコメア)に細分化される。筋節が収縮の基本単位。

  1. ❌ 骨格筋は多核である(単核は心筋・平滑筋)。
  2. ❌ 骨格筋はミトコンドリアを豊富に持つ(特に遅筋)。
  3. ⭕ 筋原線維は筋節(サルコメア)に細分化される。
  4. ❌ 筋小胞体はCa2+の貯蔵部位である(Na+ではない)。
  5. ❌ ミオシンフィラメント(太いフィラメント)は主にA帯に存在する(I帯ではない)。

午前 問62(共通・正答 2)

Golgi装置(ゴルジ体)は細胞内小器官(分泌・輸送)で、感覚受容器ではない。他は全て機械受容器。

  1. ❌ 筋紡錘は筋の伸展を感知する固有受容器。
  2. ⭕ Golgi装置は細胞内小器官で感覚受容器ではない。
  3. ❌ Pacini小体は振動・圧覚受容器。
  4. ❌ Ruffini終末は伸展・圧覚受容器。
  5. ❌ Meissner小体は触覚受容器。

午前 問63(共通・正答 2)

最大心拍数は加齢によって規定され(約220-年齢)、持久力トレーニングを行っても大きく変化しない。他の項目(心拍出量・脂肪代謝能・毛細血管密度・線維割合の代謝特性)はトレーニングの影響を受ける。

  1. ❌ 心拍出量(一回拍出量)は持久トレで増加する。
  2. ⭕ 最大心拍数は加齢規定が強く、持久力トレーニングの影響を受けにくい。
  3. ❌ 筋の脂肪代謝能は持久トレで向上する。
  4. ❌ 筋線維の毛細血管密度は増加する。
  5. ❌ 速筋・遅筋線維の割合は遺伝規定が強いが、代謝特性(酸化能)はトレーニングで変化しうる。本問では最大心拍数が最も影響を受けにくい。

午前 問64(共通・正答 5)

交感神経・副交感神経とも、節前線維の末端からはアセチルコリンが放出される。交感神経も節前はコリン作動性。

  1. ❌ 排尿筋(排尿)の収縮は副交感神経(骨盤内臓神経)による。交感神経は蓄尿。
  2. ❌ 交感神経はグリコーゲン分解(血糖上昇)を促進する(合成ではない)。
  3. ❌ 交感神経は第1胸髄〜第2腰髄の側角から出て前根を通る(後根ではない)。
  4. ❌ 副腎髄質は節前線維の直接支配を受ける(節後線維ではない、例外的シナプス)。
  5. ⭕ 交感神経の節前線維末端からアセチルコリンが放出される。

午前 問65(共通・正答 3)

トロンビンがフィブリノゲンをフィブリンに変換し、凝固を完成させる。

  1. ❌ 血小板は一次止血(血小板血栓)に関与するがフィブリン化はしない。
  2. ❌ コラーゲンは血小板粘着の足場。
  3. ⭕ トロンビンがフィブリノゲン→フィブリンへの変換を触媒する。
  4. ❌ プラスミンはフィブリンを分解する(線溶)。
  5. ❌ プロテインCは抗凝固因子。

午前 問66(共通・正答 4,5)

腸管のカルシウム吸収を低下させるのは副腎皮質ホルモン(グルココルチコイド)とリン(過剰摂取で不溶性リン酸Ca形成)。

  1. ❌ エストロゲンはCa代謝を保護的に働く(骨吸収抑制)。
  2. ❌ 蛋白質は適量ならCa吸収を促進する。
  3. ❌ ビタミンD(活性型)は腸管Ca吸収を促進する。
  4. ⭕ 副腎皮質ホルモンは腸管Ca吸収を抑制する。
  5. ⭕ リンの過剰摂取は腸管でCaと結合し吸収を低下させる。

午前 問67(共通・正答 1,4)

昇圧作用を持つのはアルドステロン(Na・水再吸収→循環血漿量増加)とコルチゾール(血管の昇圧物質感受性亢進)。

  1. ⭕ アルドステロンはNa・水再吸収を促し昇圧する。
  2. ❌ インスリンは血糖降下ホルモンで主たる昇圧作用はない。
  3. ❌ カルシトニンは血中Ca低下作用で昇圧作用はない。
  4. ⭕ コルチゾールは血管のカテコラミン感受性を高め昇圧的に働く。
  5. ❌ ソマトスタチンは各種ホルモン分泌抑制作用で昇圧作用はない。

午前 問68(共通・正答 5)

食事誘発性熱産生(DIT)は栄養素で異なり、蛋白質摂取(約30%)が糖質(約6%)・脂質(約4%)より大きい。

  1. ❌ 基礎代謝は安静仰臥位・覚醒・空腹時に計測する(立位ではない)。
  2. ❌ 体温上昇で代謝は増加する(減少は誤り)。
  3. ❌ 基礎代謝は体表面積に比例する(反比例は誤り)。
  4. ❌ METsは安静時代謝量を1とした倍数で表す(差ではない)。
  5. ⭕ 食後の消費エネルギー増加(DIT)は脂質摂取より蛋白質摂取で大きい。

午前 問69(共通・正答 1)

ワット(W)は仕事率(パワー)の単位であり、仕事の単位ではない。仕事の単位はジュール(J)。

  1. ⭕ (誤り):ワットは仕事率の単位で、仕事の単位ではない。これが誤りの選択肢。
  2. ❌ (正しい):ニュートン(N)は力の単位。
  3. ❌ (正しい):力=質量×加速度(F=ma)。
  4. ❌ (正しい):仕事=力×移動距離。
  5. ❌ (正しい):仕事率は単位時間当たりの仕事。

午前 問99(共通・正答 1)

健常成人の安静閉眼・覚醒時の脳波基礎律動はα波(8-13Hz)。開眼で抑制される(α blocking)。

  1. ⭕ 安静閉眼覚醒時の基礎律動はα波。
  2. ❌ β波は覚醒・精神活動時(開眼・思考時)。
  3. ❌ γ波は高次認知処理時の高周波。
  4. ❌ δ波は深睡眠時。
  5. ❌ θ波は入眠期・小児にみられる。

午後 問58(共通・正答 2)

甲状腺は傍濾胞細胞(C細胞)からカルシトニンを分泌し、血中Ca濃度を低下させる。

  1. ❌ 甲状腺の重量は約15-20gである(100gは過大)。
  2. ⭕ 甲状腺(傍濾胞細胞)はカルシトニンを分泌する。
  3. ❌ 副甲状腺は通常4個(上下2対)からなる。
  4. ❌ 甲状腺は甲状軟骨の下方に位置する。
  5. ❌ 上甲状腺動脈は外頸動脈から分岐する(内頸動脈ではない)。

午後 問59(共通・正答 4)

半規管は頭部の回転運動(角加速度)を感知する平衡覚器。

  1. ❌ 耳石は前庭(卵形嚢・球形嚢)に存在する(蝸牛管ではない)。
  2. ❌ コルチ器は蝸牛管に存在する(半規管ではない)。
  3. ❌ 半規管は前庭神経の支配(蝸牛神経ではない)。
  4. ⭕ 半規管は頭部の回転運動(角加速度)を感知する。
  5. ❌ 蝸牛管は音(リンパの振動)を受容するが、「内リンパの流れ」ではなく基底膜の振動が刺激。半規管が内リンパの流れを感知。

午後 問61(共通・正答 2)

平滑筋は主に嫌気的解糖系に依存してエネルギーを産生し、持続的でゆっくりした収縮を行う。

  1. ❌ 平滑筋は不随意筋で随意運動はできない。
  2. ⭕ 平滑筋の代謝は主に解糖系に依存する。
  3. ❌ 平滑筋は骨格筋より収縮速度が遅い。
  4. ❌ 平滑筋は筋フィラメントが規則的に並ばず横紋を持たない。
  5. ❌ 平滑筋は単位断面積あたりの収縮張力は骨格筋と同等かむしろ大きい(小さいは誤り)。

午後 問62(共通・正答 3,5)

疼痛を伝達するのはAδ線維(鋭い一次痛)とC線維(鈍い二次痛)。

  1. ❌ Aα線維は運動・固有感覚(筋紡錘等)を伝導する太い有髄線維。
  2. ❌ Aβ線維は触圧覚を伝導する。
  3. ⭕ Aδ線維は鋭い痛み(一次痛)・温度を伝導する。
  4. ❌ B線維は自律神経節前線維。
  5. ⭕ C線維は鈍い痛み(二次痛)・温度を伝導する無髄線維。

午後 問63(共通・正答 5)

副交感神経の興奮で直腸平滑筋が収縮し排便を促進する。

  1. ❌ 交感神経は散瞳(縮瞳は副交感神経)。
  2. ❌ 交感神経は気管支を拡張する(収縮は副交感神経)。
  3. ❌ 交感神経は心拍数を増加させる(減少は副交感神経)。
  4. ❌ 立毛筋の収縮は交感神経(副交感ではない)。
  5. ⭕ 副交感神経は直腸平滑筋を収縮させ排便を促進する。

午後 問64(共通・正答 5)

動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)が増加すると、CO2が水と反応しH+が増えるためpHが低下する(呼吸性アシドーシス)。

  1. ❌ シャントでは血流はあるが換気がない部分で、換気血流比は減少(0に近づく)。
  2. ❌ 肺伸展受容器の興奮は吸気を抑制する(Hering-Breuer反射)。
  3. ❌ CO2の拡散能はO2の約20倍高い(O2が高いは誤り)。
  4. ❌ pH増加(アルカローシス)では酸素解離曲線は左方移動する(右方は誤り)。
  5. ⭕ PaCO2増加でpHは低下する(呼吸性アシドーシス)。

午後 問65(共通・正答 4)

アナフィラキシーショック(I型アレルギー)は肥満細胞(マスト細胞)がIgEを介してヒスタミン等を放出することで生じる。

  1. ❌ B細胞は抗体産生に関与するが即時型反応の主体ではない。
  2. ❌ 好中球は細菌貪食が主。
  3. ❌ NK細胞はウイルス感染細胞・腫瘍細胞を攻撃。
  4. ⭕ 肥満細胞がIgEを介しヒスタミン等を放出しアナフィラキシーを起こす。
  5. ❌ マクロファージは貪食・抗原提示が主。

午後 問66(共通・正答 3)

食事(特に胃への食物流入)により胃大腸反射が生じ、大腸の蠕動が亢進して排便が促される。

  1. ❌ 排便中枢は仙髄(S2-4)にある(腰髄ではない)。
  2. ❌ 外肛門括約筋は横紋筋(随意筋)である(平滑筋は内肛門括約筋)。
  3. ⭕ 食事により胃大腸反射が生じる。
  4. ❌ 肛門直腸角は体幹前屈(しゃがむ)で鈍角になり排便しやすくなる(鋭角は誤り)。
  5. ❌ 便意は直腸壁の伸展刺激で生じる(結腸壁ではない)。

午後 問67(共通・正答 1,2)

肝臓は代謝により熱産生を行う主要臓器(1)。体温の受容器は視床下部の中枢受容器のほか、腹腔内(内臓)にも深部体温受容器が存在する(2)。

  1. ⭕ 肝臓は代謝による熱産生を行う主要臓器。
  2. ⭕ 体温の受容器は皮膚・視床下部のほか腹腔(深部)にも存在する。
  3. ❌ 体温調節の中枢は視床下部にある(視床ではない)。
  4. ❌ 発汗は自律性(自律神経性)体温調節であり、行動性ではない。
  5. ❌ 運動による温熱性発汗はエクリン腺の分泌物である(アポクリン腺ではない)。

午後 問69(共通・正答 3)

呼吸商(RQ=CO2排出量/O2消費量)は栄養素で異なり、糖質1.0・蛋白質0.8・脂質0.7。蛋白質の呼吸商は脂質より大きい。

  1. ❌ 呼吸商は換気障害の指標ではなくエネルギー基質の指標。
  2. ❌ 長時間運動では脂質利用が増え呼吸商は低下する(増加は誤り)。
  3. ⭕ 蛋白質の呼吸商(0.8)は脂質(0.7)より大きい。
  4. ❌ 糖質燃焼が増えると呼吸商は上昇する(1.0に近づく、低下は誤り)。
  5. ❌ 呼吸商はCO2排出量をO2消費量で割った値(引いた値ではない)。

午後 問78(共通・正答 1)

失血性ショック(循環血液量減少性)では、代償性に交感神経が緊張し末梢血管が収縮して末梢血管抵抗が上昇する。

  1. ⭕ 失血性ショックでは代償性血管収縮で末梢血管抵抗が上昇する(cold shock)。
  2. ❌ 神経原性ショックは血管拡張で抵抗低下(warm shock)。
  3. ❌ 敗血症性ショックは血管拡張で抵抗低下。
  4. ❌ 副腎機能低下性も血管拡張傾向。
  5. ❌ アナフィラキシーショックは血管拡張で抵抗低下。

午後 問83(共通・正答 3,4)

角膜反射は、三叉神経(求心路:角膜の感覚)と顔面神経(遠心路:眼輪筋の閉眼)で構成される。

  1. ❌ 視神経は視覚の求心路で角膜反射には関与しない。
  2. ❌ 外転神経は外直筋支配で角膜反射に関与しない。
  3. ⭕ 顔面神経は角膜反射の遠心路(眼輪筋→閉眼)。
  4. ⭕ 三叉神経は角膜反射の求心路(角膜の感覚)。
  5. ❌ 動眼神経は瞳孔反射・眼球運動に関与するが角膜反射の主経路ではない。

午後 問85(共通・正答 3)

視床下部はホメオスターシス(体温・摂食・飲水・自律神経・内分泌)の統合中枢である。

  1. ❌ 下垂体はホルモン分泌器官で、視床下部の制御を受ける。
  2. ❌ 視床は感覚の中継核。
  3. ⭕ 視床下部はホメオスターシス維持の中枢。
  4. ❌ 松果体はメラトニン分泌(概日リズム)。
  5. ❌ 脳梁は左右大脳半球を連絡する交連線維。

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出典:「第60回理学療法士国家試験、第60回作業療法士国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)(厚生労働省ホームページ)を加工して作成

※ 解説は株式会社Network-Primerが独自に作成したものであり、厚生労働省の公式見解ではありません。本コンテンツは教育目的で提供しており、営利目的での利用を意図するものではありません。

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